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・・・別にイライラなんてしてないし。ただちょっと気分が悪くて、誰とも話したくないだけ。

理由は・・・よくわからない、けど。なんか毛利さんの態度がいつもと違って、変によそよそしくてイライラする。

あ、イライラしてんじゃん。
でも別にみんなにイライラしてる訳じゃないし。それに、極力誰にも会わない様にしてるからイライラしてても関係ないし。



「璃亜〜!」

「…なんスか?」

「おわ、顔こわっ!」

「あー、練習するんですか?」

「そう思っとったんやけど、やめや。なぁ、篤京?」

「つーか、元からそのつもりだっただろォが」



不意に後ろから声を掛けられて振り返ろうとしたら、それより先に覆い被さる様に飛び付かれてゆっくりと上を見る様に振り向くと私服の修二さんと遠野さんがいた。

とりあえず、私服な辺り練習をする訳じゃなさそうだ。いや、まぁ…別にあたしはジャージだし練習してもいいんだけど。

そしてあたしの顔を見るなりオーバーリアクションをとりながら、あたしから離れる修二さんを冷ややかな目で見る。



「璃亜、ちょい出掛けへん?」

「はい?」

「あ、ちなみに黒部コーチ等に外出許可は取ってあるから大丈夫やでぇ」

「時間制限付きだけどなァ」

「意味がわからっ…ぬおっ!?」

「はいはい、急ぐでぇ!」

「マジでジャージ姿のままかよ」

「そない時間あらへんし、仕方ないやん?」



えっ、いや、意味がわからないんですけど!?軽々とあたしを持ち上げる修二さんにバタバタと暴れるがなんの意味もなく、ほな行くで〜とスタスタと歩き出した。

そんなあたしを鼻で笑いながら後ろを歩く遠野さんが憎いです。というか、私服の遠野さんイケメンかよ。

そして抵抗しても無駄だと気付いたあたしは、諦めて大人しく担がれたままでいる事にした。ていうか、もうなんでもいいや。



「あ?なんだ?急に大人しくなったな」

「いや、暴れるだけ無駄だと気付いたんで」

「ハハッ、今日の璃亜は素直で可愛えなぁ」

「ハッ、眉間にすんげぇシワ寄ってんぞ」

「ちょ、ツボ押しじゃないんですからそんな押さないで下さいよ!」



そして合宿場を出るとゆっくりと下ろされて、ほな付いて来てなぁ〜と修二さんに言われて、今更戻れないので素直に後を付いて行った。

とりあえず、隣を猫背気味で歩いてる遠野さんから安定のいい匂いがしてなんだか癒された。まぁ、見た目が完全に癒し系じゃないけどな。

むしろ、修二さんと遠野さん目立ち過ぎだからね。そしてジャージ姿のままのあたしも違う意味で目立ってるっていう。





※レストランにて
(あ、仁王せんぱーい!!)
(なんじゃ赤也。静かにしんしゃい)
(フッ、随分と懐かれてんじゃねぇの)
(犬みたいで可愛いじゃろ)
(まぁ、動物は嫌いじゃねぇな)
(犬じゃないッスよ!!)
(跡部と一緒か。珍しいな)
(たまたまな。お前等はこれから昼飯か?)
(まぁな。座っていいか?)
(アーン?勝手にしろ)
(羽川さーん!こっちこっち!)
(ふふ、わかった。今行くわ)
(本気で犬みたいだな)
(ふっ、可愛いだろう。たまに噛み付くがな)

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