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そんで、昼飯を食いにレストランに向かっとるとスタスタとレストランから出て行く璃亜を見付けて、思わず後を追った。
いつもより歩く速度が速いが、軽く走ればすぐに璃亜に追い付いた。
「璃亜」
「・・・なに?」
「お前さん、なんちゅー顔しとるんじゃ…なんかあったんか?」
「別に?なにも」
「嘘付きんしゃい。何をそんなにイライラしとるんじゃ?」
「別にイライラなんてしてないから。じゃあ、あたし忙しいから」
「これ、待ちんしゃい」
俺の言葉に元から寄っていた眉間のシワが更に深くした璃亜がそのまま去ろうとしたんで、腕を掴んで引き止めると意外にも振り払われる事はなかった。
そのかわり、凄い顔で璃亜に睨まれとるんじゃがな。
元から璃亜は、機嫌が悪かったりすると人から離れるクセがあるのはわかっとったが、今日はそれがあからさま過ぎる。
まぁ…それ程、余裕がないとも取れるが。
「…離してくんない?」
「俺には、言えん事か?」
「は?」
「なんかあったんじゃろ。あの赤也でさえ気付いとったし、心配しとったぞ」
「…なんか?別にないよ。てか、お昼まだなんでしょ。早く行きなよ」
「…ほーか。まぁ、なんかあったら言いんしゃい」
「はいはい」
本気でなにもないんだけど?と言わんばかりの顔をしている璃亜にゆっくりと掴んでいた腕を離した。
そして振り返る事なく去って行く璃亜の背中を見送ってから、レストランに向かった。
それにしても、アレじゃな。
あの様子は、なんでイライラしとるのか自分でもわかっとらん様子じゃな。それが更に璃亜をイライラさせとる感じか。
「アーン?仁王、今日は1人か?」
「なんじゃ、跡部か。今日はたまたまじゃ」
「そういや、璃亜は大丈夫なのかよ。昨日から体調が悪いって話じゃねぇか」
「俺も詳しくは知らん。じゃが、そこまでじゃないらしいぜよ」
「なんだ、テメェも璃亜に会ってねぇのか」
「いや?朝食一緒じゃったし、さっきも会ったぜよ。まぁ、ほとんど話しとらんが」
どうやら、跡部も珍しく1人だったらしく俺のテーブルに座ると思い出したかの様に璃亜の事を聞かれた。
それにしても璃亜についての話は、回るんが速いのぅ。俺が璃亜が実は体調が悪いって事を知ったのは、数時間前じゃぞ。
まぁ、跡部じゃし…不思議じゃないんじゃが。
それにしてもテメェ"も"って言ってる辺り、跡部は璃亜にまともに会ってないみたいじゃし、やっぱり人と接するのを避けとるみたいじゃな。
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