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試合が終わると同時に足早にコートから出て行ったらしく、気が付いた時には璃亜の姿はなかった。
「今日の璃亜先輩…なんか変じゃなかったッスか?」
「変とは?」
「いや…なんつーか、璃亜先輩ってなんだかんだで俺等の為にって色々考えて試合してくれるじゃないッスか。でも今の試合は、なんつーか…」
「…?だから、楠木さんは遠慮は要らないと先に言ったんじゃないですか?」
「そ、そうじゃなくって!なんつーか…あぁっ…もう!とにかく変なんスよ!!」
そして試合を一緒に見とった赤也と柳生が何やらギャアギャアと騒いどるみたいじゃが、確かに赤也が言っとる通り…なんか様子が変じゃった。
いくら、遠慮は要らないからと忠告を入れたにしろ璃亜の性格からしてあんな呆気なく試合を終わらせるなんておかしい。ましてや、海堂が余裕をかましとったんならまだわかるが…まだ海堂は様子見しとる感じで遠慮や手加減をしとる感じとは違った。
それに朝食の時もヤケに静かで、変にピリピリしとったし。あやつ…なんかあったんか?
「あら…璃亜は?」
「あ、柳先輩と羽川さん!ちょ、聞いて下さいよ!璃亜先輩がなんか変なんスよ!!」
「…?何があったんだ?」
そして下剋上試合が終わったのか参謀と羽川がノート片手に戻って来とった。
じゃが、さすがの参謀でも赤也の説明じゃ理解が出来んみたいで、仕方なく俺が簡単に説明した。
それにしても、羽川が特に気にしとる様子はないみたいじゃし…俺等の気にし過ぎかの。いや、気にしとらんと言うよりは知ってたという感じにも思えるの。
「あぁ、昨日から少し体調が優れないらしいぞ。だからじゃないのか?」
「え、楠木さんは体調が悪いんですか?なら、休んでいた方がいいのでは…?」
「そこまで悪い訳じゃないみたいなのよね。ただ、ちょっと気が立ってるのは事実よ」
「理由はわかっとるんか?」
「いえ、さすがにそこまでは。練習やらで璃亜なりに色々と思う事があったんじゃないかしら」
「ん〜…なんか心配ッスね」
「大丈夫よ。私も少し気にしてみる様にするから」
詳しくは知らんが、コーチにシンクロの練習する様に言われたらしいからのぅ。
まぁ、それが原因かはわからんが少し気になるから後で璃亜のところに行ってみるか。正直、昨日は色々あり過ぎてまともに話せてないしの。
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とりあえず、午前中は自主練じゃから軽く璃亜を探してみたんじゃが…結局、璃亜を見付ける事が出来んかった。
連絡しても返事が来なかったところをみると、なんかしとるんじゃろうか。
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