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「はぁ…?」
放送で呼び出されたら行かない訳にはいかなくて、精市が気になったが言われた通りに管理棟へと来た。
で、そこで言われた話の内容に思わずまぬけな声が出てしまった。
「へぇ、オモロそうやんか。俺は、別に構わへんで?」
「正直、かなり賭けに近いのですが楠木さんになら出来るとの判断です」
「うーん。それでも今まで成功した例がない訳ですよね?」
「それにまだ知り合って間もない。無理があるんじゃないのか」
「ヒャヒャ、やってみなきゃァわかんねぇんじゃねぇの?」
「正直、余り自信がないですね。特に関わりもないですし」
言いたい放題言っている先輩方に何故かニッコニコの齋藤コーチと異論は認めないと言わんばかりの黒部コーチにさすがのあたしも意味がわからない。
いやいやいや…このコーチは、どんだけ無理難題を言うんだ。
というのも、齋藤コーチと黒部コーチの話の内容があたしに先輩達の誰かとシンクロして欲しいとの事。
いや、普通に無理だろ。むしろ、なんで出来ると思ったんだよ。むしろ、あたし…シンクロについてよく理解してないからね?以心伝心的な感じかって事しかわかってないよ。
「まぁ、無理だと思っている方には無理でしょう。ですので、現段階で種ヶ島・遠野・毛利の3名とのシンクロを目指して貰います」
「越知くんは、コミュニケーション不足がね。それこそ、この間来たばっかりだからねぇ〜」
「楠木さんには1日最低1時間、好きな時間に3名と練習をして下さい」
「でも無理は禁物だよ〜?なんなら、1時間ただ会話するだけでもいいからねぇ」
「ちょちょちょっ…マ、マジッスか?」
「はい、マジッスよ〜。それにシンクロが出来なくても問題はないので気楽に練習して下さい」
いや、気楽に練習ってなんだ!?てか、一緒に練習してるだけでシンクロが出来るならみんなシンクロし放題じゃねぇか!え、なにそれ怖い。
そんな事を考えている内に今日の午後から早速練習を開始して下さい。他の者は、いつも通りにコーチを頼みますと言われてしまった。
アレ?異議を訴える暇さえくれない黒部コーチマジやべぇよ。そして普通に了解ッス〜なんて言いながら部屋から出て行く先輩達にもはや唖然である。
この人達、なんでそんなあっさり受け入れるんだ。やべぇよ、受け入れ体制万全かよ。いや、半数がシンクロとか無理だと思ってるから正確には3人だけど。
そんな感じに必死に頭をフル回転していたから、チャラチャラさんにそない難しく考えんでええからはよ行くでとあたしの腕を引いた。
(ほな、まず俺と練習しよか)
(ちょ、修さんしいこい!)
(適当に呼ぶ。俺が来いって言ったら来い)
(なんという独裁者!!)
(とりあえず、午後まで一緒におってな)
(なんでっ!?お昼は!?)
(一緒に食べればええやんか!)
(このメンツでとか…勘弁しろし)
(うむ、さして問題はない)
(せや、だんないだんない〜)
(問題しかないの間違いですよ!)
(うっせェな。さっさと行くぞ)
(やだ、遠野さんが意外にノリノリ)
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