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昨晩の一件から俺がイライラしているのは、確かだった。それを感じ取って、複雑そうな顔をして大人しく俺の話を隣で座って聞いている璃亜に悪い事をしたなと思った。

急にこんな場所に連れて来られたかと思ったら、俺がイライラしてるんだもん。そりゃあ、いくら璃亜でも騒がないよね。



「なんか、ごめんね」

「へ?なにが?」

「俺がイライラしてるのがわかってるから静かにしてるんだろ?いつもならもっと俺に色々言うじゃないか」

「え、あぁ…まぁそうだけどさ。なんて言うか、精市は溜め込むクセに自分から話したがらないし、そのクセなんか1人でいるの嫌いみたいだから、静かにしてたんだけど」

「ははっ、無理に聞かないのが璃亜っぽいよ。それに今日は、璃亜と2人で話したかったんだ」

「聞いたところで精市が素直に話してくれるとは思ってないし、無理矢理聞いても意味ないし。まぁ、午後から練習だからそれまでなら普通に付き合うよ」



前に何かあったらちゃんとは話すって約束したのに、無理に聞き出そうとしないのはやっぱり璃亜なりの優しさなのか、それとも約束をした事すら忘れてるのか…正直、どっちかわからないけど話さない俺が悪いのは確かだ。

それに今更、何を怖がってるんだ。璃亜は、素直で人を傷付ける様な嘘は付かない。だから、はっきり聞けばいい。

・・・・・。

ゆっくりと璃亜の方を向くと不思議そうに俺の顔を見ながら頭を傾げる璃亜の頬に軽く触れた。



「え、精市?どうしたの?」

「璃亜は、俺をどう思ってる?」

「へ?いきなり、どうした」

「聞き方が悪かったかな。俺の事、カッコイイとか思う?」

「え?顔?ん〜精市は、カッコイイより美人じゃね?綺麗って言うか」

「じゃあ璃亜が思うカッコイイ人って誰?」

「顔なら弦ちゃんとか?テニス部は、みんなカッコイイってより綺麗系が多いし。てか、なんの話だし」



璃亜は、俺をカッコイイとは思ってないのか。まぁ、確かにゴツい顔ではないし。むしろ、女に間違えられるくらいだ。璃亜のカッコイイは、真田みたいなヤツって事か。

しかも、そこで精市もカッコイイよ!とか言わない辺りが璃亜らしいよね。まぁ、言われても璃亜の場合すぐに顔に出るし嘘ってわかるけどね。それにお世辞とか言わないタイプだし。

ていうか、別に見た目の事はどうでもいいんだよね。まぁ、璃亜に好かれる容姿の方がいいに決まってるけど、顔はどうにもならないしね。それに綺麗とか美人って言われてるから…そこは大丈夫なのかな。


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