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そしてわかちゃんとひーちゃんに手を引かれながらゆっくりと歩いていると、ガサガサという音と共に灯りがこっちに向かって来て足を止めた。
「え、誰だろ?あ、もしかしてあたしと同じで迷った人かも!」
「…いや、それはないと思いますけど」
「せやな。ちゅーか、なんとなく誰かわかるんが嫌なんやけど」
何故か、嫌そうな顔をしているひーちゃんに頭を傾げているとガサガサと音を立てながら見慣れた人物が現れた。
「残念ながら一足遅かったみたいッスわ」
「みたいじゃな」
「ちゅーか、仁王さんは肝試し組やないですか。しかも最後の方やったないですか、もうゴールしたんです?」
「お前さんの部長に任せてきたから安心しんしゃい。それより、璃亜は無事なんか?」
「見ての通り通常運転ですよ」
「なんじゃそんなに構えて」
「ほ、本物っ!?生身の人間!?」
「…こやつ、頭大丈夫かの?」
「ダメなんじゃないですか」
いや、だって仁王かどうかわからないじゃないか!ましてや、あの仁王だよ?正直、本物かどうか怪しいでしょ!この肝試しのせいであたしは、疑心暗鬼になってるよ!
しかし、あからさまに呆れた顔をしているのを見る限り本物っぽい。ていうか、走って来たのかちょっと息上がってません?
…アレ?もしかして、仁王もあたしの事を探してた的な感じ?え、でも仁王は肝試し組だよね?いや、でもなんか抜けて来た的な事言ってたし。え、わざわざ抜けてまで探しに来たの!?
「お前さん達は、脅かし役じゃなかったんか?」
「切原から璃亜さんがいなくなったって聞いたので」
「あ、ちなみに柳さんに許可は貰ったんで」
「ほぅ…参謀の指示じゃから見付けるんが早かったんか」
「柳さんの指示というか、元からルート外にいると思ってたんで」
「ちゅーか、ルート外を探せって言われただけやし。見付けたんは俺等の力ッスわ」
そして何故か、余り空気がよろしくない気がするのは気のせいでしょうか?いや、わかちゃんとひーちゃんはちゃんと許可とって来たみたいだけども…仁王が抜け出して来たのを怒ってる的な?
まぁ、脅かし役からしたら脅かす相手が減ったらつまらないしね。それに探しに来てくれたのは嬉しいけども、勝手に抜け出して来るのはあたしもダメだと思うぜ!
そして、とりあえず3人でゴールを目指す事になりました。あれ?脅かし役のわかちゃん達がいるのに普通にゴール目指しちゃうの?裏道からゴールに行くとかじゃないの?と疑問に思っていたから、璃亜さんはメンタル強化せなあかんやろ?とひーちゃんに言われた。
なにそれ辛い!
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