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先程勢いよくジュースを吹き出したがっくんがゲホゲホと咳き込んでいるので、とりあえず背中を擦ってあげた。いや、なんで吹き出したのかわからんけど。



｢っ、バ、バカヤロー！｣

｢ちょ、いきなりの罵倒！？｣

｢ちげぇよ！バカ！｣

｢結果、罵倒！！｣

｢〜〜〜〜っ！！｣

｢どうした、がっくん。てか、噎せ過ぎて顔真っ赤だけど大丈夫？｣

｢か、かっこいいとか簡単に言うんじゃねぇよ！｣

｢へ？｣



そんな事を言いながら手の甲で口を押さえてフイッとあたしから顔を反らすがっくんに頭を傾げる。

え？カッコイイって言っちゃダメなの？いや、だってカッコイイって思ったんだから仕方なくね？え、なに？前からがっくんの事を可愛いって言うとぷんぷん怒るけど、カッコイイもダメなの？がっくん、マジで訳わかんねぇな！

しかも簡単に言うなって…いや、あたしお世辞でカッコイイとか言うタイプじゃないし。普通にカッコイイって思わないと言わないからね。

それにがっくんなら普通にカッコイイとか言われ慣れてるんじゃね？あの氷帝だし。絶対にキャーキャー言われてるだろ。

あ、だから嫌だって事？言われ過ぎて言わなくてもわかってるよ的な？いや、跡部くんならまだしもがっくんはそういうタイプじゃないか。

…うーん？なんかよくわからないな。



｢っ、璃亜ってすげぇ可愛いよな｣

｢っ！？な、なにいきなり！｣

｢それと同じって事だよ！｣

｢あ、なるほっ…いや！違うから！あたしは、マジでカッコイイって思ったから言ったんだからね！？がっくんが言ってるみたいにお世辞とかじゃないから！｣

｢俺だってお世辞じゃねぇよ！つか、俺がお世辞とか言う訳ねぇだろ！｣

｢た、確かにっ…！｣



…え？でもそれってつまり、がっくんがあたしを本当に可愛いと思ってるって事？

・・・・・。

え、えぇ…？ちょ、そ、それはそれで恥ずかしいから言わないで欲しかった。いや、可愛いとか言われ慣れてないからね、普通に恥ずかしいよね。いつも頭おかしいとか変とか、基本的に酷い言われようだからね。

いや、でも可愛いって…



｢い、い、いやいやいや…有り得ないよ。可愛いとか有り得ない絶対にない…ないないない｣

｢いや、だから…お世辞じゃねぇって。何回も言わせんなし｣

｢いやいやいや…可愛いって言うのは姫ちゃんとかこう女の子！って感じの…｣

｢は？天龍寺？つーか、璃亜って自分の事過小評価し過ぎじゃね？｣



は？じゃないから！色々あったけど、改心後の姫ちゃんは容姿性格共に可愛いだろ！


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