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結果、まさかの音楽仲間が増えたのであった。ていうか、まさか鬼さんがギター弾けるとか…半端ねぇな!入江さんのサックスはなんか妙に納得出来たけど。
そして髪の毛サラサラの人…改め遠野さんは、見た目的にバンドとかやってる感じでここにいるのかと思ったら違ったらしい。ヘビメタとかめっちゃ好きそうな感じしたのに。
むしろ、たまたまピアノの音がしたから来たらしい。つまり、あたしと一緒である。
「へぇ、バンドねぇ?お前、ドラムな訳?」
「いや、前のバンドはボーカルッスよ」
「あ、それなら切原に聞きましたよ!凄くよかったって自慢されました」
「えぇ…まぁ、テニス部に向けた歌詞だったからねぇ。ちょ、鬼さんやめて!そんなワクワクした目で見ないで下さい!」
「クスクス、僕も1曲歌って欲しいなぁって思ったんだけどなぁ」
「他に楽器が出来るヤツはいるのか?」
「えーと、あたしが知ってるのはひーちゃん…四天宝寺の財前と謙也くらいッスかねぇ」
むしろ、この2人以外でまともにバンドっていうか音楽の話しないしなぁ。康ちゃんと那由は、いつもの事として。
それにしてもさっきから遠野さんの視線が痛い。あたし、ちゃんと質問には答えましたよ!?なにがそんなに気に食わないんですか!あ、すいませんでした。睨まないで下さい。
とりあえず、なんか鬼さんが考え込んでるのを無視してあたしはちょたくんとまた連弾を楽しんでます。
いいなぁー!ちょたくん手もでかいし、指も長いし!すげぇ、羨ましい!
「ちょたくん、ちょっと手比べっこしよ!」
「えっ…あ、はい」
「うはぁ!やっぱり大きいなぁ!」
「それをいうなら、璃亜さんの手が小さいんですよ」
「前にも言ったけど小さいはないよ!むしろ、女しては大きいと思うよ?」
「…それより、手冷たいですね。体調大丈夫なんですか?」
ちょたくんと手を比べっこしてたんだけど、手が冷たいと心配そうな顔をしてあたしの手を包む様にして握るちょたくんの手は、やっぱり大きくて温かかった。
この部屋が特別寒い訳じゃないけど、元から冷え症なあたしからするとやっぱりこの季節はどうしても手先が冷えちゃう。
手袋とかも考えたけど色々作業するのに邪魔になるから出来ないという。それに体が極度に冷えなければ体調も悪くはならないし、そこまで心配しなくて大丈夫なんだけどなぁ。
「うん、全然大丈夫だよ。元から冷え症だから、手先はどうしても冷えちゃうんだよね」
「…ならいいんですけど」
「クスクス、もしかして僕達は邪魔者かな?」
「えっ…いや!そんな事ないですよ!」
入江さんの言葉に顔を赤くしてパッとあたしの手を離すちょたくんに頭を傾げると、鬼さんが盛大な溜め息を吐きながらあたしを見た。
なんか凄いバカにされてる気がするぞ!
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