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う、うわぁ…凄い。

クラシックについて詳しい事はわからないけど、ちょたくんの弾いてくれた月光に凄く感動している。

ていうか、楽器は演奏する人が違うと音が違うのは当たり前なんだけどさ…なんか凄い。うん、なんかもう…凄いの一言に尽きる。

余りの感動に呆然としているあたしに…どうでした?と不安気にちょたくんが頭を傾げて我に返りパチパチと拍手をした。



「ヤバいちょたくんヤバいマジでヤバい」

「えっ…ど、どうしたんですか!?」

「めっちゃ感動した」

「クスクス、鳳くんにまたファンが増えたみたいだね」

「俺はファンになったつもりはねぇからなァ」

「とか言いつつ、ここでずっと聴いてるじゃない。遠野は素直じゃないなぁ」

「ちょたくん、本当に凄いね!あたしもちょっとピアノ弾けるけど、レベルが違い過ぎてヤバい」



とりあえず、思った事をちょたくんに言うと少し照れ臭そうにありがとうございますと笑うちょたくんがマジで天使過ぎてやべぇ。

ていうか、本当に凄い。
それに好きで何度も聴いてる曲だから余計にその凄さがわかるっていうね。だって、1回もミスしてないと思うし。

あぁ…なんか歌いたくなる!
やっぱり音楽っていいなぁ!
でもさすがにここで歌うわけにもいかないので、諦めよう。



「それで璃亜さん、ピアノ弾けるんですか?」

「ちょっとだけね。猫踏んじゃったとかなら!鬼さん弾いてあげましょうか!?」

「クスクス、根に持たれてるね」

「いいぞ、弾いてみろ」

「うはっ、マジッスか。ちょたくんの後とか晒し者じゃないですかー」

「あ、なら連弾しますか?猫踏んじゃった」

「更にハードルが上がった!」



そして何故かちょたくんと一緒に猫踏んじゃったを弾く事になった。ていうか、鬼さん…さっきから腕組んだままで怖いッス。そして入江さんは、相変わらずの笑みを浮かべてらっしゃる。

いや、まぁ鬼さんと入江さんとはなんだかんだで結構話すからいいけど…あの人は!?ボール当てられた時にいた人なのはわかるけど、まともに話した事ないよ!

そしてなんだかんだでちょたくんと猫踏んじゃったを楽しく弾いた。



「クスクス、なんか凄く癒されたよ」

「なんかバカにしてません?」

「まさか。でも鳳くんが合わせてたにしては、ちゃんと音も合わせられてたよ」

「えっ、いや…実を言うと俺は合わせてないです。なんかちょっと緊張しちゃって…だから璃亜さんが合わせてくれた感じです」

「え、猫踏んじゃったで緊張!?ちょたくん、猫踏んじゃったでなにかあったのか!」

「ほう…楠木、なにか楽器は得意なのか?」

「得意ではないッスけど、打楽器ならボチボチッスかね。ドラムは、前に結構やってたんで」



鬼さんが興味ありげにそんな事を聞いて来たので素直に答えると、鬼さんがなんだと!と言わんばかりの顔をする。いや、鬼さん怖いッス!目見開かないで下さい!


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