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立ち直りが早いというかなんというか…。まぁ、いいことなんじゃろうけど。
「仁王、なんか動き鈍い」
「そりゃ、いきなり璃亜が1on1するなんて言い出すからじゃろ」
「別にいいじゃん」
「まぁ、いいか。ほら、行くぜよ」
ムカつくから1on1付き合ってと何故か理不尽な理由で璃亜と1on1をしている。
ちなみに2ポイント先取した方が勝ちって事らしいがお互いすでに1ポイント取っている。
ディフェンスの璃亜は、今は真剣な顔で構えている。ホントにいい顔するのぅ。
「クククッ…お前さんは、ホントに好き嫌いがはっきりと顔に出るのぅ」
「う、うるさい!早く攻めて」
「まぁ、そう急かしなさんな」
「これであんたに勝ったら幸村くんにテニスで勝負するんだから」
「なんで俺は、バスケなんじゃ」
いや、特に意味はないと言いながらあっさりと俺からボールを奪う璃亜。
ホントにバスケ上手いのぅ。
俺も別にバスケは、下手ではないと思うんじゃが。それに身長差もある。なのに、あっさりとボールを奪っていく。
「あ、強いて言えば幸村くんの得意なもので勝ちたいじゃん?」
「…お前さん結構凄い事言っとるよ」
「幸村くんのテニスは、知らないけど1ポイントくらい取ってみせる」
「クククッ…ほぅ、1ポイントか。可愛い野望じゃな」
「う、うるさい!跡部くんからは取ったし!現役テニス部から1ポイント取れれば凄いでしょ!」
やっぱり璃亜は、発想がちとずれとる。まぁ、そこがこやつのいいところかも知れんが。
そして結果、1on1は璃亜が勝った。あんなシュート取れる訳なか。久し振りにやったから出来るか不安だったんだよねー!とか言いながら勝ち誇った顔をする璃亜。
「そんな技持ってるなら、先に言いんしゃい」
「切り札は取っとくものじゃん?」
「それもそうじゃな」
「てか、仁王…あんたやる気無さすぎ。あたしの事舐めてんの?」
「いや、お前さんの事を見てたら集中出来なかっただけじゃ」
「なっ!?み、見んな!」
何故か顔を赤くするとボールをぶん投げられた。どんな意味で捉えたんじゃろ。
いや、それにしても面白い反応する奴ぜよ。
そんな璃亜に近付くと何故か直ぐに構える璃亜に笑いが溢れた。
(そんな構えなくてもよか)
(古武術使うぞ、こら!)
(これ、暴力はやめんしゃい)
(じゃあこっちくんな!)
(それは、無理じゃな)
(ひえー!こわっ!くんな!)
(失礼な奴じゃな。ほれ、帰るぞ)
(…ふえ?)
(クククッ…行くぜよ)
(なんなんだし!?)
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