イデアの箱庭 | ナノ
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…んー、なるほど?

目付きの悪い彼、山崎くんの鶴の一声で手錠を外して貰い、更に今の状況を特徴的な眉毛の彼、花宮くんに説明して貰った。

そして言うなれば、わたしには全く意味がわからないの一言に尽きる。



「花宮くん達の他に有名なバスケ選手がいて…その人達を閉じ込めてる犯人を見付けろ、と?」

「まぁ、ざっくりだけどそんな感じ? で、俺等は中央の大きな棟? 城? で目が覚めたんだけど、なんでか女子はみんな外の東西南北の棟から綺麗に1人ずつ見付かってる感じね」

「ちなみに拘束されてたのは、沢村だけだ。他の3人は、場所はどうあれ普通に倒れていたらしい」

「なんつーか、拘束されてたからてっきり…警戒してたっつーか。悪気はなかったんだよ、ごめんな」

「いや、嘘だからね。俺は悪気しかなかったし、ザキには下心しかないよ!」

「原ァァ!」



とりあえず、原くんと山崎くんがとても仲が良い事はわかった。そして、なんとなくだけど彼等の性格というか…雰囲気は掴めた気がする。

いや、それより…花宮くん達に説明して貰った事なんだけど。いや、本当になんでわたしなんだ? 彼等を此処に閉じ込めてる人間がいるとして、その候補に何故にわたしが含まれているのかが謎過ぎてヤバい。

彼等に説明した様に、わたしは彼等を全く知らないし。彼等をこんな場所に閉じ込める理由もなければ、そんな事が出来る財力も権力もない。

そもそも、人間にそんな事が可能なのかも怪しい。



「あの、その東西南北にある棟って言うのはどういう感じなんですか?」

「どうって、まんま東西南北にある感じ。で、此処は北なんだけど、なんでかめっちゃ雪が降っててこの棟を見付けんのに時間掛かったんだよねー」

「ゆ、雪? 建物の中なのに雪が降ってるんですか?」

「そんな訳あるか。建物の外、この北地区全域って事だバァカ」

「簡単にいえば、5つの地区に分かれてる感じで地区内にある大きな棟に女の子がいたって感じ、かな?」

「俺等がいたところは、その4つの地区に囲まれていて、中央地区といったところだな」



なるほど、分かりやすい。
中央と東西南北に分かれていて、今わたし達がいるのが北地区の大きな棟の中って事だよね。

そして更に詳しくこの場所について花宮くんと瀬戸くんに説明して貰ったんだけど、やっぱり普通の人間の仕業には到底思えなかった。

だって、この大きな棟の他にも色々と建物もあって街みたいな感じになってる上に、なんか化物が要るらしいし。見た目はゴリラみたいな? 悪魔みたいな? とか山崎くんと原くんが言ってたけど、見た目はともかく人間ではないらしい。



(とりあえず、中央に戻るぞ)
(棟内は探索したんですか?)
(お前を見付けたせいで終わってねぇよ)
(なら、探索してからでもいいんじゃ?)
(お前が足手纏いにならねぇ保証がねぇだろ)
(失礼ですね。それなりに運動は出来ます)
(なら、探索しちゃおうか)
(まっ、面倒臭いしねぇ)
(…化物は棟内にはいないんですよね?)
(早速、ビビってて草。ま、いないと思うけど)

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