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そして花宮くんに腕を引かれながら、そんな話をしていると桐皇の部屋の前に着いた。
それと同時に腕は離してくれたけど、今更部屋に帰る勇気がないので大人しく花宮くんの隣にいる事にする。
ほ、本当に犬みたいな扱いされてる。
そして花宮くんが部屋をノックをすると、すぐに今吉さんが出て来てわたしと花宮くんを見るなら何故か、クツクツと笑い出した。
「ホンマ仲ええなぁ。で、どないしたん? 花宮からワシのところに来るなんて珍しいやん」
「明日の事でちょっと。まぁ、好き勝手に動いていいならそうさせて貰いますけど?」
「ほー? 明日、探索にでも行く気なんか? とりあえず、明日は探索なしにしたやんか」
「少し気になる事がありまして。ただ中央から出る訳じゃなくて、噴水を確認しに行きたいだけですけどね」
「んー…せやったら、赤司にも伝えなあかんなぁ。立ち話もなんやし、あっちでゆっくり話そうや」
「…まぁ、別にいいですけど。なら、沢村は赤司を呼んで来い。洛山の部屋は知ってんだろ?」
「えっ…それは、まぁ…知ってるけど」
なら行って来いと言わんばかりの顔をする花宮くんに、ちょっとだけ反抗する様にジッと見つめると何故か、 "ふはっ" とか普通に笑われた。
そして無理矢理、わたしの背中を押して洛山の部屋へと向かわせる花宮くんである。更には今吉さんからは、呑気に "頼むわ〜" とか言われるし。
正直、色んなところから視線を感じるし…物凄く嫌なんだけど、仕方なく洛山の部屋へと向かった。しかも、赤司くんを呼んで来いとかなんて鬼畜なんだ。さっき、倉多さんがいるって言ったはずなのに酷いよね。
花宮くんと今吉さんに不満を感じつつ、ムスーッとしながら洛山の部屋の前に着き、ノックをして花宮くんと今吉さんが赤司くんを呼んでいる事を伝えると、すぐにドアが開いた。
「わかりました、すぐ行きます。まさか、それを伝えるために沢村さんがわざわざ呼びに来てくれたんですか? いや…ふふっ、花宮さんに無理矢理頼まれたんですね?」
「…よくわかったね」
「ふふ、そんな不満気な顔をしてればわかりますよ。彼女もいるみたいですし、俺のところに来るのはなかなか勇気が必要でしょうしね」
「なんで赤司くんはわかってくれるのに、花宮くんはわかってくれないかなぁ…」
「違いますよ。花宮さんの場合は、沢村さんに手を出させない自信があるからこそですよ」
「そ、そうなのかなぁ…。だとしても、わたしはわざわざ怖い目に遭いたくないんだけどね」
相当わたしは不満気な顔をしていたらしく、赤司くん目を細めて笑った。
そしてチラリと倉多さんの位置を確認し、わたしを安心させる様に小さく頷くと "じゃあ、行きましょうか" と既にソファに座って何やら話している花宮くんと今吉さんの元へと向かった。
ちなみに赤司くんから凄く離れて後ろを付いて行こうとしたら、逆に危ないから隣を歩くように言われました。
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