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色々と限界だったわたしは、バッと顔を手で覆い噴水内でしゃがみ込む。
ひ、ひえっ…ひぇ…。
は、恥ずかしい、です。
そして大変申し訳ないです。
「えっ、ちょ、沢村さん大丈夫ッスか?」
「ご、ごめん…自分の事でいっぱいいっぱいで、高尾くんのこと全然考えてなかった…」
「はははっ、いやいや! マジで、俺は得した気分なんで全然大丈夫ッス!」
「くぅっ…サラッとそういう事言うのやめてくれる?」
「アハハッ! なんつーか、沢村さんって思ってたより普通の人ッスよね。あの霧崎の人達と仲良いし、もっとキツイ人だと思ってたっつーか」
カラカラと笑う高尾くんに色々な感情が混ざって、どうしていいかわからず…そのまましゃがんだままでいる。
ていうか、また "霧崎" で括られてて驚く。な、なるほど…やっぱり、花宮くん達はわたしが思っている以上に相当悪名高いらしい。
そしてそんな霧崎と仲良くしているわたしは、同じ様な奴だと思われている様だ。黒子くんの時もそうだったけど、確かに人を選ぶというか…余り誉められた性格はしてない気はするけど、別にわたしは嫌いじゃないし…花宮くん達は花宮くん達で、わたしはわたしなので、そういう括り方をされるのは少し嫌な気持ちになる。
「…ごめん。花宮くん達が高尾くん達にも、何か酷い事をしたのかもしれないけど…なんていうか、あんまり…そういう言い方は好きじゃない、かな…」
「あっ、すんません! ただ、女子で花宮さん達と一緒にいれるのがすげぇっつーか、ちょっと驚いたっつーか…」
「うん、高尾くんの言いたい事はわかるから大丈夫。わたしもそれなりに酷い扱いもされたけど…それでも花宮くん達はわたしを助けてくれたから…あんまり悪く言われたくない」
「あー…ッスよね、すいません。つーか、更に言い方悪くなっちゃうんスけど、本当は沢村さんが怪しいからわざわざ花宮さん達が監視してるんじゃないかなーとか思ってたんスよね。で、ずっと猫被ってんのかなって思ってたんですけど、さっきの反応もそうッスけど今の沢村さんの言葉で俺の考え過ぎってわかりました。ほんと、すいませんでした」
「えっ…」
まさかの高尾くんの告白にちょっと言葉を失う。
確かに最初は監視って名目で花宮くん達の部屋にいたから…それは別に構わないんだけど。それに、全く知らない女が急に現れた訳だから…わたしを怪しいと思うのも仕方ないし。
だけど、猫被りってなんだ。
わたしは、そこまで器用じゃないし。ましてや、そんな余裕はなかったよ。
そりゃあ…今回は、前の海常の人達と探索した時よりは気は楽だし…頑張って普通に接する様にしてただけなのに、まさか…そんな風に思われてたとは思わなかった。
高尾くんは、あんまり裏表なくわたしにフレンドリーに接してくれてると思ってただけに、普通にショックだ。
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