イデアの箱庭 | ナノ
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3人で特に会話もなく噴水の周りを重点的に調べていると、不意に高尾くんが声を上げたのでそちらを向くと何故か噴水の中に入っていた。

いや、なんて言うか…大胆だ。



「なんか見っけた! なんかよく見たら中央の方の底がキラキラしてて、中に入って確認したらなんか此処に嵌まってる感じ」

「なら、まだ取るのはやめとくのだよ。何かおかしな事が起きたら困る」

「あ、あの…わたしもちょっと確認したいから中に入るね」

「えっ…結構冷たいッスよ!? って、聞いてないし!!」



何かが嵌まっているという言葉に、確か…南の棟の扉に嵌めるガラス細工が見付かってない事を思い出して、靴と靴下を素早く脱いで噴水の中に足を入れる。

た、確か…笠松さん達が窪みを確認して、太陽のマークっぽい感じだって言ってたよね。丸に小さな三角がくっついてる感じだったから…、

バシャバシャと冷たい水の中を歩き、高尾くんの元へ向かいゆっくりと前屈みになり中央部分へと水の中に手を伸ばす。

こ、これかな…?
触った感じは、太陽のマークでは無さそう。



「ちょ、沢村さん! スカートスカート! 前屈みになり過ぎですって!」

「えっ…あ、ごめんなさい!! えっと、でも……んー、まぁいっか」

「あ、ちょっ! えっ!? 水の中で座り込むとかある!? 何やってんスか!」

「ちょっと形が気になって…大丈夫だから、高尾くんは他に何かないか見てくれる?」

「それはいいッスけど。真ちゃんは、バッチリメモしとけよー!」

「うるさい、言われなくてもしているのだよ」



…な、なんだろう。
多分…逆三角形、かな?
軽く噴水の水を浴びながら、必死に嵌まっているモノを指でなぞると、逆三角形のマークだとわかった。

南の棟の扉のマークではないけど、逆三角形のマークの石かなにかがここに嵌まってる…って事だよね。

そしてわたしがふるふると頭を振って水を振り払っていると、更に高尾くんが声を上げる。

高尾くん、色々と見付け過ぎじゃない?



「こっちに、なんか変なボタンみたいなのみっけた! 丸いやつ! 押してみて」

「良い訳ないのだよ!」

「やだなぁ、冗談だってー! あ、こっちにもボタンあるわ…って、事は」

「うん、こっちにもあるよ」

「真ちゃん、噴水内に外側に4ヶ所丸いボタン追加ね」

「言われなくてもわかっているのだよ。他にも何かありそうか?」

「んー、ちょい待ち」



そして高尾くんに目配せされて、わたしの後ろの方を見ると噴水の中に入らないと見えない様な位置に確かに、丸いボタンの様なものが見えた。

…4ヶ所か、綺麗に東西南北って感じになってるのが怖いなぁ。絶対に何か起こりそう。

そしてバシャバシャと高尾くんと噴水の中を歩き回り、他に何かないかと色々と調べた。



(真ちゃん見てみて! 滝修行!)
(お前は、ふざけてないで調べるのだよ!)
(ちょっとしたお茶目…って、沢村さん!?)
(…えと、噴射口のお皿が気になって)
(ちょ、危ないんで俺が見るッスよ)
(ご、ごめんね…お願いするね)
(おわっ! 無駄に水で滑るし、登るの無理そう)
(だ、大丈夫!? この噴水って止められないのかな)
(……少し近くを見てくる。待っているのだよ)
(えっ…あ、ありがとう)
(真ちゃんまじツンデレ!!)
(うるさいのだよ!!)

※脱出の為に積極的に探索するヒロイン
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