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わたしと一緒に中央の探索をする事になったのは、秀徳の人達です。さっきいた緑髪の彼こと緑間くんと自己紹介をしてくれた高尾くん、そしてあの場にいなかった大坪さん、宮地さん、木村さんです。
そして探索内容は、中央の敷地内に更にヒントがあるかもしれないとの事で…中と外に別れて探索する事になってます。
そしてわたしは、あの場にいた緑間くんと高尾くんと一緒に外の探索を任された感じです。
前に瀬戸くんと今吉さんに案内されて来たけど、特におかしいなところはなかった気がするんだけどなぁ。でも軽く周りを見渡した程度だったから、もっと丁寧に色々と見て回れって事なんだろう。
そして何かあれば、棟へ戻るなりメモをするなりしろと花宮くんに青い折り紙と色鉛筆を持たされて、少しの不安を胸に緑間くんと高尾くんと一緒に外へと出て来た。
「んーっ、何処から行きます? 正直、そんなに広い場所じゃないッスけど」
「ま、任せるよ。わたしは、2人について行くから」
「そんなビクビクしなくても大丈夫ですってー。まっ、とりあえずはぐるーってゆっくり回ってみますか」
「勝手にするのだよ」
「いやいや、真ちゃんも探索するんだって! なんか気になるところとかあったらちゃんと言えよ?」
ニコニコと人懐っこい笑顔を浮かべる高尾くんに反する様に、ジッとわたしを見つめる緑間くんに居心地の悪さを感じながら、高尾くんの指示通りにゆっくりと周りを見ながら棟の周りを1周した。
綺麗に切り揃えられた花壇。
キラキラと綺麗な水を噴き出す噴水。
…本当にそれだけだ。
気になるところも何も、本当に何もないに等しい。花壇の近くにベンチとかがあったりする訳でもなく、ただただ通路があるだけで…本当にヒントとかあるの? って感じだ。
「何か見付けたー?」
「いや、特にないのだよ」
「わたしも、特には…」
「だよなぁ。赤司と花宮さんは、小さな事でもなんでもいいから気になったらメモしとけっつってたけどさー」
「強いて言えば、此処に噴水がある理由くらいなのだよ」
「ん? ただ中央の棟の出入口って感じの目印じゃねぇの?」
「なら尚更おかしいのだよ。俺等は、元から棟の中にいたのだから出入口は知っている。それにわざわざ、噴水を目印にしなくてはならない様な複雑な見た目ならわかるが、分かりやすく出入口だとわかる構造をしているのだよ」
う、うん? よくわからないけど、なんで噴水がこんな場所にあるんだって話? 正直、特に意味もなくあるんだと思ってたけど…景観の為的な感じで。
だけど、確かに緑間くんが言う様にそう言われれば不自然な気がしないでもない。景観的な意味で噴水があるなら、一緒にベンチくらいあっても良さそうだし。
そして小さな事でもなんでもいいからと言われているので、まずは噴水の周りを重点的に探索する事になった。
うーん、パッと見は何処にでもありそうな一般的な噴水に見えるけどなぁ。造りが凄い豪華って訳でもないし、他に何かあるかなぁ…。
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