イデアの箱庭 | ナノ
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10*(4/4)

原くんと古橋くんと一緒に部屋から閉め出されて、仕方なくロビーにあるソファーに向かう。

わたし達以外にも何人かロビーには居るけど、ほとんど人は寝てる時間なので数は少ない。それに特に雑談をしている様子もなく、ただただソファーに座っているだけだ。

…もしかして、寝てるとか?

なんて考えていると、原くんに腕を引かれてソファーに座らされた。流石に怪我をしている事を知っているので、突き飛ばしたりとかはされないけど…ちょっと強引なんだよね。

まぁ、別に嫌な訳じゃないからいいんだけどさ。それに原くん達には、色々とお世話になってるし。

…ていうか、多分それなりの時間をロビーで潰す事になるよね。だったら、飲み物とか持って来ようかな。いくら、お腹は空かないと言っても喉は乾くし。



「飲み物持って来るけど、2人は何かいる?」

「まじ? てか、種類とかあったっけ? 水だけじゃねぇの?」

「普通にお茶系とかはあった様な? ジュースみたいなのは、なかったと思うけど…」

「えぇ、甘いの飲みたいんだけどー」

「んー、ココアかホットミルクに蜂蜜入れるとかしかないと思うけど…。あ、チョコもあったらホットチョコも出来るかな」

「なら、ホットチョコでよろ」
「俺は、紅茶で頼む。茶葉はなんでもいい」

「わかった。じゃあ行ってくるね」



原くんがホットチョコで、古橋くんが紅茶ね。ちょっと面倒臭くはあるけど、別にやる事もないからね。いつもならスマホ弄ってたりして、絶対にそんな面倒臭い事はしないだろうけど。

そんな事を考えながらキッチンへ向かい、ホットチョコと紅茶の用意をする。

原くんは、甘いのがいいって言ってたから…ビターじゃなくてミルクチョコにしようかな。それで紅茶は、んー…なんかよくわからないけどアールグレイって確か有名だし、これでいいかな…いい匂いするし。

そしてお湯を沸かしたり、ホットチョコをレンチンで作ったりしていると…不意に扉が開いて、誰かが入って来てゆっくりと振り返るとそこには水色の髪をした小柄な男の子がいた。もちろん、わたしよりは身長は高い。原くんや古橋くん達に比べたらって意味の小柄であって、決して馬鹿にはしていない。



「確か…沢村さん、でしたか?」

「えっ…あ、はい」

「僕は、誠凛高校1年の黒子テツヤと言います。あなたが1人で此処へ入って行くのが見えたので…」

「えっ…あ、××高校2年の沢村奈々です」

「少し沢村さんとお話をしたいんですが、大丈夫ですか?」

「えっ、あの…申し訳ないんですけど、原くんと古橋くんを待たせてるんで…」



2人っきりが怖いと言うのもあるけど、わたしに話があると言ってる時点で普通に怖い。しかも、わざわざわたしが1人で此処に来たのを見てる辺り…更に怖さしかない。

なので、やんわりと相手を刺激しない様に原くん達をダシに使って断った。

なのに、何故か彼は "別に彼等と一緒でもいいので…ダメですか?" と諦めてくれませんでした。

もうやだ、普通に怖いんですけど。


※見てるだけの2人
(ほぅ、黒子が向かったか)
(色んな方面から目付けられてて草)
(助けに行かないのか?)
(なんかあれば逃げて来るでしょ)
(お前が面倒臭いだけだろう)
(あ、バレた? でも相手はあのクソイイコチャンの黒子でしょ?)
(まぁ、沢村はそれを知らないがな)
(ちょービクついてそうで草)
(俺等の事は、怖がらない癖にな)
(本当なら逆なんだよなぁ)
(無知は恐ろしいな)

※甘い様で甘くない原と古橋
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