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09*(4/4)

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とりあえず、自己紹介をして貰ったんだけど…プリンに夢中というか、プリンが食べれるならなんでもいいと言わんばかりの紫原くんとそんな紫原くんを心配しつつ、わたしに疑いの目を向けているのが氷室くんです。

ちなみにあからさまな感じで疑ってないのが、尚更怖い。なんか、凄く優しく接してくれてるし笑顔なんだけど…ヒシヒシと敵視してるのが伝わってくるんだよね。

そして、まさかの5人で黄色の部屋(扉が黄色)に入る事になるとは思わなかった。いや、わたしとしては瀬戸くんと今吉さんがいてくれて安心するけどさ。なんていうか…ちょっと、狭くないかな?

なんて思いつつ、紫原くんに急かされてレンチンで簡単プリンを作りました。なんか普通にみんな参加してて、軽い調理実習みたいでちょっと楽しかったのは秘密だ。しかもみんな高身長だから、凄い絵面で笑いそうになったよ。



「な、なにこれっ…うまーい! 簡単、早い、美味い! 奈々ちん凄い!!」

「…え、あ、ありがとう? でもそれ、まだ温かいよね?」

「温かくても美味いならいいし! もっかい! もっかい作ろ!!」

「それはいいけど…多分、冷やした方が美味しいと思うよ? それに生クリームとかもあったし、冷やしたら色々とトッピングも出来るから…」

「それ最高じゃん! あ、フルーツも切って!」



そしてレンチンで作ったプリンを何故か冷やさずに食べ始める紫原くんに驚きつつも、お気に召したようでまた作りたいとはしゃぐ紫原くんは、まるで小さな子供の様だった。いや、体とかはこの場いる誰よりも大きいんだけどね。

作り方はそこまで難しくないというか普通に簡単なので、紫原くん達がプリンを作っている間にわたしはフルーツを切る事にした。生クリームは、泡立て器があったからすぐに出来るっぽいし。

そして2回目のプリンが完成した訳だけど、冷やす前に食べたくて仕方ない紫原くんが氷室さんに我慢だ! と強引に羽交い締めをされていた。

…いや、そこまで必死にならなくても。

余りにも紫原くんが可哀想だったので、すぐに生クリームを泡立てて切ったばかりのフルーツと一緒に皿に盛って渡してあげた。



「少しなら食べていいよ。トッピング用は、ちゃんと分けて冷やしておくから」

「え、いいの? ありがと〜!! 室ちんと違ってちょー優しいんだけど」

「ははっ、心外だなぁ。俺は、アツシを思って止めてただけなのに」

「だからって、普通は羽交い締めはしないでしょー。しかも、室ちんってば無駄に力強いし」



そして嬉しそうに生クリームと切ったフルーツを食べる紫原くんと、それを何故かニコニコと眺めている氷室くんを尻目にわたしは後片付けをした。

まぁ、瀬戸くんと今吉さんも手伝ってくれたからすぐに終わったんだけどね。

そして暫くして、冷やし終わったプリンに嬉しそうにトッピングをして幸せそうに紫原くんがプリンを食べていた。

ちなみにそれなりに量は作ったので、残ったプリンを探索に行っていた花宮達の為に残して貰った。ほとんどは、紫原くんが食べちゃったからね。


※プリンを渡しました
(呑気にプリン作ってたの? いや、草)
(ちょっと、色々と巻き込まれてね)
(花宮が嫌そうな顔をしているが?)
(…まぁ花宮は、甘いの苦手だもんな)
(えっ…そうだったの。ごめん)
(花宮が要らないなら俺が食べるからいいけどね)
(食わねぇとは言ってねぇよ)
(む、無理しなくていいよ?)
(あ、これ普通に美味い。なに、料理得意なのー?)
(いや、簡単にレンチンで作ったんだけど…)
(ぶはっ、レンチン凄過ぎて草)

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