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続いて、中央棟の外を案内されているんだけど…なんて言うんだろ、お城とかの庭って感じ? 綺麗に整備されたお花と噴水がある感じ。
わたしが中央の棟に来る時にもチラッとは見たけど、本当にそれだけで此処には何もなくて安全な場所だよって言われてる感じかな。
「中央の外って此処だけなんですか?」
「せやで。んで、東西南北に門があってそっから他の地区に行く感じやな」
「まぁ、中央で重要なのは屋上の石碑だけだし。他の地区は、無駄に広いからね」
「そ、そうだね…南も北も地獄みたいだったよ」
「各棟までは、それなりに距離あるからなぁ。まぁ、気候的に厳しいんは南と北だけやけどな」
そんな厳しいところに居た上に拘束されてて、更には探索に行ったわたしは一体なんなんだろうか。やっぱり、わたしの扱い雑じゃない?
でも、だからといって…探索に行くのは嫌だとは言えないし。まぁ、他の女の子達はそれなりに心配されて探索に連れて行かないとかあったみたいだけどね? わたしには、心配してくれる知り合いもいないからそういうのは、期待出来ない。
今は、怪我をしているって理由で探索は休ませて貰ってるけどね。
「そういえば、棟の扉に嵌める物が見付かってないのって東と南だけやんな」
「そもそも、南は昨日の探索でまともな物は見付けてきてないですしね」
「す、すみませんね。まともに探索も出来なくて!」
「いや、奈々はむしろよくやった方だよ。南の化物が何かわかったし」
「そ、そうなの?」
「共通の化物がゴブリンだとして、地区別の化物もいるっぽいんだよね。北はゴリラ、南はサソリって感じに」
な、なるほど…。
なんか情報量が多くて頭がパンクしそうだ。それでもなく、未だにこんなよくわからない場所にいる事を受け入れられてないのに。
とりあえず、出来るだけ頑張って頭は使ってはいるけど…全然役には立たなさそうだ。むしろ、下手に口を出して混乱させたりしたら困るので…聞かれたら答える程度に協力させて貰おう。それにわたしの頭じゃ、まともに情報を整理出来ないからね。
ていうか、棟の扉に嵌めたガラス細工って…確か、吹雪が治まったやつだよね? えーと、西は常に夜なんだっけ? という事は、ガラス細工を嵌めたら夜が明けたとかなのかな。
「あの、西はガラス細工を嵌めたらどうなったんですか?」
「ん? あぁ、雲1つ無くなって満月になった。それまでは、微かに月が見えてただけで探索も大変やったんやけど、今はそれなりに探索は出来る様になったで」
「あのライトとかがあったりは?」
「いや、ないで。せやから、夜目が効かん奴はきっつい場所や。まぁ、俺等んとこには野生の動物みたいなんがおるから余裕やったわぁ」
や、野生の動物…?
なんだかよくわからないけど、桐皇には何やら特殊な人がいるらしい。
そしてそんな話をしながら、ロビーへと戻って来た。
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