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05*(3/4)

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絶対に花宮くんと今吉さん、話し合ってたでしょ、絶対にグルでしょ。あれよあれよと、言いくるめられてわたしを連れて行く事になってしまったのは、海常の笠松さんでした。

ちなみに他の2人は、秀徳の大坪さんと陽泉の岡村さんと言うらしい。口には出さないけど、やっぱりわたしを疑っている様で…余り良い顔はされなかった。ていうか、自分達のところに来なくてよかったと言わんばかりに安堵した表情浮かべてたからね。

なので、笠松さんには大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。本当にすみません。

ていうか、今吉さんの学校も探索に行くなら…そこに入れてくれればいいのに。なんで…わざわざ、他の学校の人達に押し付けたんだ。

…いや、今吉さんもわたしを疑ってるからなのかな。それか単純に面倒だから押し付けた感じ、だよね。

そして何故か、笠松さんの後を付いて行くわたしの隣には赤司くんがいる訳で…

更には海常の皆さんから刺さる視線に死にたくなって来た訳で、そして追い撃ちの倉多さんである。



「…なんで、この子がいるの? まさか、涼太くん達と一緒に行くとか言わないよね?」

「今日は、黄瀬達が探索する日だからね。倉多さんは、俺と一緒にお留守番は嫌かい?」

「っ! そ、そんな事ないよぉ! ただ私は、涼太くん達が心配なだけで…」

「ははは、大丈夫ッスよ。ちゃんと帰って来るッスから」

「倉多さんは何かあると困るから、俺と一緒にいようか。俺等の部屋で良いかい?」

「うん! 涼太くん達は、気を付けて行って来てね!!」



そう言いながら、ニコリと笑いながらあの黄瀬涼太の腕にギュッと抱き付き、すぐに離れて赤司くんの腕に絡み付いた。もちろん、その間にわたしを睨むのも忘れていない。

…倉多さん、面食いなのかな。

さっきから黄瀬涼太と赤司くんにしか興味無さそうな振る舞いだけど…。いや、普通に考えたら笠松さんや他の海常の方達も顔は整ってるしイケメンだと思うんだけど。むしろ、うちの学校の男子が泣き出すレベルだと思いますが…。

まぁ…ずば抜けて黄瀬涼太と赤司くんがタイプなんだろうな…うん。

そして倉多さんを連れた赤司くんがその場を去ると、笑顔で手を振っていた黄瀬涼太からスッと笑みが消え、大きな溜め息を吐いた。



「はぁ…で? この人、本当に探索に付いて来るんスか?」

「…沢村です。よろしくお願いします」

「はぁ…次から次へと面倒臭いッスねぇ」

「おい黄瀬、失礼だぞ! ちなみに沢村何ちゃん? 是非、教えて欲しい!」

「え、えーと…沢村奈々です」

「奈々ちゃん! うん、名前も実に可愛らしい! 俺は、森山由孝だ。遠慮せずに由孝と呼んでくれ!!」



黄瀬涼太の態度の豹変振りにも驚いたが、この森山さんと言う人の勢いの方が驚きである。そして物凄く距離が近い。

そして、やっぱりとても居心地が悪くて変な汗が出てきた。なんだかんだ、花宮くん達といる事に慣れちゃってて…あのわたしに対して遠慮のない感じとか容赦ない態度が居心地が良かったんだなぁ…とか思ったり。

いや、決してドMではないけど…。


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