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05*(2/4)

最高に不機嫌な花宮くんにビクビクしながらも、無事に花宮くんと瀬戸くんをベッドに寝かせる事が出来た。

ちなみにわたしは、この部屋から出ちゃダメらしい。わたしを監視するって事で、部屋に入れるって事になってるって言ってたからね…仕方無いよね。

そして花宮くんが座っていた椅子に座らせて貰い、する事も古橋くんと話す話題もなかったのでボーッとしていたら、いつの間にかまた寝ていたらしく…花宮くんに頭を叩かれて目を覚ました。

…さすがにわたしは、寝過ぎである。

そして、花宮くんに連れられて部屋を出ると既に何人かロビーには人がいて、ちょっと視線が怖くて俯いてしまう。



「おい、お前は探索行く気あるか?」

「えっ、」

「今日は、俺等は探索には行かねぇんだよ。少しでも信用されてぇなら、他の連中に付いて行って来い」

「他って…花宮くん達以外の学校の人達の事だよね? そもそも、わたしを連れてってくれるの?」

「さぁな。昨日は、俺等だけが探索に出てた関係で今日は4校が一斉に探索に行く事になってる。何処でもいいから無理にでも付いて行け」



…行く気はあるか?って聞いたわりには強制的に行けって言ってるよね。

でも嫌だって言える立場ではないので、小さく頷くと花宮くんが小さく笑った気がした。もちろん、優しい物ではなく当たり前だよなぁ? と言わんばかりの笑いである。

そして花宮くんが足を止めたのでゆっくりと顔を上げると、そこには昨日も顔を合わせた今吉さんと赤司くんの他に3人…知らない人がいた。



「時間にはぴったりやけど、花宮しては遅かったな。ゆっくり寝れたか?」

「お陰様でね」

「ハッハッハ。まぁ、今日はゆっくり休んどってくれ」

「それで、沢村さんが探索に付いて行くと言う話ですが、沢村さんは希望はありますか?」

「えっ、あっ…いや、ないです。付いて来いって言われれば、付いて行くんで…」



優しくわたしに話し掛けてくれる赤司くんだが、他の3人からの視線が痛い。そして、遠目にあの倉多さんが見えて更に居心地も悪い。

そして黙るわたしに花宮くんがボソッと耳元で呟く。

"右前"

花宮くんの言葉にチラリと右前を見ると、険しい顔をした短髪の人と目が合った。だが、すぐに目を反らされてしまった。

……名前も知らない上に、目まで反らされたんですけど。そんな相手に付いて行けと? そもそも、わたしを連れて行くのが嫌そうなんだけど。


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