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目が覚めてゆっくりと起き上がると、椅子に座りながら寝ている花宮くんが目に入ってちょっと驚いた。
そういえば、花宮くん達の部屋に入れて貰って…ベッドまで貸して貰ったんだった。
少し離れたベッドには、布団を奪われて寒そうな山崎くんと布団に丸まっているのか僅かに原くんの金髪が見えた。
「起きたか」
「っ! ふ、古橋くん」
「あぁ、おはよう」
「お、おはよう」
「よく寝ていたな。お陰で花宮は椅子、瀬戸は床で寝ている訳だが」
「…えっ、えぇ!?」
バッと起き上がり床を見れば、古橋くんが言うように瀬戸くんが気持ち良さそうに寝ていた。え、わたしにはあんなところで寝るとか信じらんないとか言ってたのに、自分はまさかの床で寝ているじゃないか! しかも盛大に寝っ転がってるし!
とりあえず、わたしはグッスリと寝かせて貰ったので急いでベッドから飛び降りて瀬戸くんを起こそうとしたが、フッと手を止める。
……あ、あれ?
でもあのベッドは、今までわたしが寝てた訳だし…流石にその後すぐにあのベッドを使うのは嫌なのでは? せめて、シーツと枕カバーは替えた方がいいんじゃないのか? だけど、そんな都合よくシーツや枕カバーがあるかと言われれば…ないと思う訳で、
「ふ、古橋くん…替えのシーツとか枕カバーってあったり?」
「此処にはないな」
「だ、だよねぇ…」
「気にし過ぎじゃないか? 花宮はわからないが、瀬戸は間違いなく気にせず寝るぞ」
「…古橋くん達が寝てたのは知ってるけど、花宮くんと瀬戸くんはあんまり寝てないよね?」
「沢村がベッドで寝てから2時間くらい経ってから、2人も戻って来たがシャワーやら、今後について話していて寝たのは30分くらい前だな」
「…あれ、でも古橋くんもあんまり寝てなくない?」
「俺は、ショートスリーパーだから問題ない」
そ、そうなんだ。
…とりあえず、瀬戸くんと花宮くんにはベッドでゆっくり寝て貰わなければ…。流石に部屋に入れてくれた上に寝かせて貰ったのに、本人達がまるでゆっくり寝れてないのは問題だ。
先ずは、床で寝ている瀬戸くんを揺り起こすと…寝惚けているのかボーッとわたしを見たかと思うと何故かわたしの腕をポンポンと優しく叩くとまた目を瞑ってしまった。
いや、眠いのはわかるけど! お願いだからベッドで寝て下さい! すいませんでした! わたしが図々しく、ベッドで寝たりして!
そんな必死なわたしに古橋くんがぷっと吹き出し、手を貸す様に "お前は花宮を起こしてくれ" と言うと豪快に瀬戸くんの足を掴むと勢いよく引き摺り起こした。
…ひどいし、容赦がない。
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