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あの日を境に、何故か花宮くんとやたらと2人行動をさせられている。もちろん、嫌とかではないけど…相変わらず理由は教えて貰えていないのでモヤモヤしている。
しかも、あの花宮くんからかなり重要そうな…大切な約束をされてしまって気が気じゃない。
というか、そんな大事そうな事をわたしに頼まないで欲しい。
「んー? 奈々ちん? どうしたの、こっちだよ」
「えっ、あ、ごめんね。今行くね」
「何か考え事かい?」
「…ううん、大丈夫。ごめんね」
「それにしても、本当にゴリラが襲って来るとは思わなかったわ」
「野生のゴリラVSアゴリラだったアル」
「頼むから、お前等はもう少し緊張感を持って!? しかも、ゴリラを倒したのは氷室な!!」
そして今日は、陽泉の人達と探索に来てます。しかも、あの因縁の北地区である。
相変わらず、吹雪いてはいないけど雪は降ってるし…普通にゴリラには襲われるし…本当になんなの此処。
そして何よりも寒い。
「えーと、この棟であってるよな。他のは、棟ってよりは塔って感じだし」
「はい、此処です。印も入ったままになってますし」
「えーと、とうがとうでとう?」
「ややこしい言い方して悪かったな。でかい建物と高い建物みたいな感じだよ」
「おぉ! ビルディングとタワーって事か! なるほど!」
「…室ちんうっさい」
そして意図も簡単にゴリラをぶん殴って沈めた氷室さんにビビりつつ、目的の棟に着いた。
ていうか、みんな本当にメンタル強いよね。普通にゴリラに会ったらビックリして固まったりする筈なのに、氷室さんとか一直線にゴリラに向かってって殴ってたからね。
それをドン引きしながら見てる紫原くんと岡村さん。流石氷室だな、すげぇわ〜と危機感なく感心していた福井さんと劉さん。
なんていうか、色々と凄い。
「まだ開かない部屋が何ヵ所かあるんだったよな」
「はい。入れる部屋は探索済みだと思います」
「とりあえず、開かなかったら蹴ってみていいかい?」
「えっ、いや…多分無駄だと思います。既に原くんや山崎くんが試してるんで…」
「室ちんが脳筋過ぎて引く」
「何でもとりあえず、試してみなきゃわからないだろ?」
「いや、奈々ちんがもう他の奴が試した後だって言ってんじゃん」
さっきから紫原くんが自由過ぎる氷室くんを止めているけど、パッと見…冷静に見える氷室くんが1番ぶっ飛んだ思考をしている事に驚く。
でも、ある意味…此処では頼もしいなぁとか思ったりする。
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