短編 | ナノ


▼ おまけ

「で、離婚の話は進んでるの?」

「来月には終わる、かな? 花宮から特に連絡ないし」

「ていうか、何回寝たの?」

「ん? 2回かな。タイプじゃないし、必要最低限しか相手してない。そもそも、そこまで飢えてないし」

「草」

「これで花宮が落ち着くなら安いもんでしょ。ま、椎名は大変だろうけど」

「梨華ちゃんの場合、高校時代からずっと大変なんだよなぁ」

「まぁ、花宮に目付けられた時点でね。しかも概ね花宮のシナリオ通りでしょ、本当に怖いよ」

「正直、花宮逮捕エンドが1番ハッピーエンドだったよね」

「そうならない様に椎名をコントロールしてたんでしょ。それで椎名が手に入ったら、後は俺との浮気の証拠突き付けて離婚すれば終わりだし」

「しかもその離婚の理由を梨華ちゃんには、梨華ちゃんとの関係がバレたとか嘘教えて更に追い込んでるとかいう鬼畜」

「昔から泣いてる姿が最高にクルとか言ってたからね。まぁ、それにしても泣かせ過ぎだけど」

「さすがの俺も可哀想だと思うレベルだしね。苦しんでる姿が可愛くて殺したくなるとか、もはや理解出来ない」

「その内、首絞めて殺しそうだって自分で言ってたよ」

「逮捕エンドで草。ていうか、普通に別れないで高校卒業してすぐ結婚すりゃあよかったのにね〜」

「花宮曰く、幸せからどん底に突き落として忘れられなくして精神を病ませて、苦しみながらも花宮を想ってる椎名の姿が見たいとかなんとか。結婚と子供も簡単に情報が流しやすいって理由だし。訳もわからず振られて、そんな相手の電報とか更に病むでしょ」

「うわぁ…元から花宮が頭おかしいのは知ってたけどさすがにドン引き」

「で、本当なら椎名から花宮に縋って来る予定だったんだけど、同窓会来なかったからね。まぁ、あんだけ病んでたら来れないのは当たり前だけど」

「その結果、木吉に取られそうになったから急遽ああなった感じね。まぁ、どっちにしろ花宮が梨華ちゃんを手放す訳がないしねぇ」

「でも椎名から縋って来なかったのが悔しいらしくて、もっとこっち側に染めてやらねぇとな…とか言ってたよ」

「まじで梨華ちゃん御愁傷様。ていうか、根がいい子だからいくら好きでも既婚者相手に縋ったりしないでしょ」

「だからこそ、自分勝手に周りを傷付けてでも自分を求めて欲しいんでしょ。そうなれば、もう椎名は戻れないし」

「…あーね。一緒狂おうぜ?的な」

「そうそう。まぁ、椎名は狂うってよりは花宮に壊されそうだけどね」

「それな。その内、自殺とかしないか不安になるよね」

「ほぼ監禁に近いしね。まぁ、それでも花宮は喜びそうだけどね」

「ほんと狂ってて笑う。そういえば、わざと梨華ちゃんに作らせた花束あったじゃん」

「あぁ、なんか言ってたね。嫁にあげる用に見える様にわざと記念日とか言って作らせたやつだっけ?」

「そうそれ。アレ、梨華ちゃんの前でバラバラにしてお前にやるよ記念日だからなってやったらしいよ。しかも、梨華ちゃん抱き潰して気失ってたのに」

「狂気でしかない」

「その場面を写真に撮ってたらしくてさぁ…嬉しそうにその話されて、俺の心臓がキュってなったもん」

「って事は、花に埋もれてたんでしょ? このまま棺桶に入れたいとか言ってそう」

「このまま棺桶に入れて飾りたいとか言ってた」

「だよね、知ってた。ていうか、写真見たの?」

「見る訳ないじゃん、まだ死にたくないもん」

「だよね。って、古橋から電話来たから行こっか」

「ん、おっけー」



※狂いに狂ってる花宮に振り回される霧崎メンバー
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