日常編 | ナノ
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昨日の雨が嘘の様に、今日は晴天である。そして、室内部活でしかも体育館で活動をするわたし達は地獄を味わっている。

だが、今日は何かが足りない。



「花宮いねぇとなんか締まんねぇなぁー。つーか、熱高いみてぇだったけど大丈夫なのか」

「原因って昨日の雨っしょ? か弱くて草」

「尚、花宮と同様に濡れながら帰った千夏と原が元気なのは解釈一致」

「まぁ、普通に3日前くらいから調子悪そうだったけどね」

「そもそも、あの真が傘を忘れる時点で体調悪かったよね。ちなみにわたしは、傘が盗まれてただけでちゃんと持ってたから。教室に置き傘してたからね」

「相変わらず、盗まれてて草」



もうね、本当に何本目かわからないけど人の置き傘を盗む奴は死ぬべき。しかも、そういう時に限って大雨とかいうね! ちなみに置き傘は折り畳み式で教室のロッカーに入れてたんだけどね!!

絶対におかしいんだよなぁ! ついでに何本かボールペンとシャーペンも行方不明ですからね! 本当にクソだよね! 教室も部室も安心して物を置いておけないからね。

だから、昨日はわたしも普通に雨に打たれながら帰りましたけども普通に元気ですね。帰宅して即お風呂に入ったし、昨日は早めに寝たしね。



「なんか今日は、お母さんがいないみたいで大変そうだったよ」

「千夏の出番じゃん」

「いや、なんでだよ」

「俺等が花宮ん家に行って出来る事は、ほとんどないからな」

「弘は普通に家事出来るでしょ」

「おま、高熱で苦しんでる時にザキに看病とかされたら更に悪化するに決まってんじゃん」

「そもそも、花宮が家に入れないんじゃない?」

「おい」



今日は、真が休みって事で部活は午前中だけだったんだけど部活が終わった訳ですよ。

だからね、時間はまぁ…あるっちゃあるし暇と言えば暇だから、わたしは別に真のお見舞いに行ってもいいけどさ。

健ちゃんの言う通りで、多分だけど真の事だから門前払いな気がするんだよね。ましてや、高熱なら尚更だよ。わたし達に移して、更に練習が進まないのは困るからね。



「ま、花宮なら大丈夫っしょ」

「何かあれば連絡しろってLINE入れといてやるか」

「そうだな。その方が花宮も何かあれば頼みやすいだろうからな」

「既に俺は連絡したけど、部活は大丈夫だったかとかそんなのばっかりだったよ」

「いや、バスケ大好き過ぎで草」

「そこはほら、花宮だし」



そんな会話をしつつ、お見舞いには行かない雰囲気だったのでわたしも適当にLINEを送っておいた。

ていうか、さすがに高熱出てる奴のところに行く気にはなれないよなぁ。


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