日常編 | ナノ
後日談*(1/4)

あの謎の事件から数日後。

なんとなくOKを出してしまったわたしは、渋々ながら待ち合わせ場所に向かっていた。さすがに自分でOKをした手前、ドタキャンをする程クズではない。

もちろん、行きたくないと言えば行きたくない。だって、貴重な日曜日を無駄にしてる訳だし。尚、部活は休みなので大丈夫です。

そして待ち合わせ場所に着くと、そこには既に高尾がいた。えぇ…まじかよ。一応、15分前に来たのに。



「あ、千夏さーん! お久し振りデーッス!」

「来るの早過ぎかよ」

「いやぁ、楽しみで早く来ちゃいました。ていうか、そういう千夏さんも早いじゃないッスかー」

「よくもわたしを待たせたなクソが! ってやりたかった」

「ぶふっ、相変わらずッスね。じゃ、とりあえず行きましょっか!」

「わたし、まじで何も考えてきてないからね」

「そこは任せて下さいって!」



相変わらず、テンションたけぇな。そんな高尾に感心しつつ、高尾のあとを付いて行く。ていうか、私服の高尾を初めて見たせいかめっちゃ違和感。

今まで気付かなかったけど、お前も顔は良いんだな。真が近くにいるせいで、よくわからなくなるんだなぁ…これが。まぁ、真の場合は顔だけだからな。尚、眉毛。

んー、やっぱりなんかすっごい違和感。そもそも、わたしは最低限しか出掛けないしなぁ。わざわざ、日曜日に出掛けて買い物とかめちゃくちゃ久し振りな気がするし。大体は、部活終わりに適当に寄る程度だし。

そんな事を考えながら、時々軽く後ろを振り向いては、わたしがちゃんと付いて来てるかを確認する高尾に付いて行く。

さすがに迷子にはならんよ。だが、突然帰る可能性はあるからちゃんと見張っとけよ。



「千夏さん、甘いの食べられます?」

「ん、まぁ別に嫌いではない」

「好きでもない感じッスか?」

「物によるかな」

「ちょ、難しい! えーと、じゃあ生クリームイケます?」

「クレープ? まぁ、大丈夫かな」

「察しが良くて悲しい! って事で、クレープはなしで!!」

「なしなのかよ」



いや、別に狙った訳じゃないんだけどね。最近、この辺りに新しいクレープ屋が出来たって一哉が言ってたから、なんとなくクレープって言っただけなんだよなぁ。

ちなみに一哉に行こうと誘われたが、ギリギリで金がないとか言い出して奢らされる未来が見えたので行っていない。

そんな事を考えていると、高尾が不安そうに"クレープ食べたかったッスか?"とか聞いてきたので、"いや別に?"と答えたら何故かカラカラ笑った。

いや、意味がわからんが。

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