日常編 | ナノ
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いや、クッソ面倒臭い。
何が面倒臭いって、そりゃあ今のこの状況である。

元はと言えば、誕生日だから祝って欲しいです! とか言い出した高尾が悪い。つーか、面倒だから嫌だっつったのにめげない高尾がなんもかんも悪い。

ていうか、お前の誕生日は一昨日だろ。もう過ぎてんだわ。むしろ、祝ってくれって言われてたのすらわたしは忘れてたからな。

当日に連絡して来た高尾にも笑うけど、おめでとうすら言わずに "へぇ〜" で流した自分にも驚きである。しかも、その数時間後には忘れてたからね。夜に連絡するとかもなかったからね。流石、わたしだよね! ウケる。

で、そんなわたしに高尾は何を思ったのか学校凸とかいう嫌がらせをしに来た訳だ。

いや、本当にやめて欲しい。
クッソ腹立つけど謝るから、学校で騒ぎにするのマジでやめてくんねぇかなぁ!!



「あっ、千夏さん! チーッス!」

「……あ、あれ? 高尾くん、どうしたの?」

「なんかよくわからんけど、学校凸されてて草」

「原さん逹もチッス!」

「クッソ元気で更に草」



流石に他の部員がいる中で猫被りを解く訳にもいかず、いつも通りの優等生を演じるわたしに高尾は意味有り気に笑うと一哉逹にも普通に絡んでて、本当に面倒臭い。
ちなみに真は、わたしと同様に優等生の猫を被りつつもかなり嫌そうな顔をしている。部活中は、本性を半分程度出してはいるが…部活外は優しい優しい優等生だからね、仕方ないね。

そして周りからは、 "えっ! あの子、志波さんに会いに来たって事!? しかも名前呼びじゃない!?" とか騒ぎになってて、本当に勘弁して欲しい。



「いやぁ、千夏さんが誕生日祝ってくれるって話だったじゃないですかぁ! で、余りにも楽しみで待ってられなくて来ちゃいました!」

「…ぐ、ぶふぅっ!!」

「だってよ、千夏?」

「……そ、そっかぁ。わざわざ、学校まで来なくても大丈夫だったのになぁ」

「ふっ、千夏は優しいな。優しい笑顔が女神の様だな」

「おいばかやめろ、俺の腹筋が死ぬっ…」

「あっ、是非花宮さん逹も一緒に!!」

「ぶはっ、巻き込み事故まで発生しててもう本当に腹痛い。行くけどさ」



逃げ道を塞ぐ様に覚えのない約束を宣言され、どう考えてもそんな約束をしていないとわかっているのに確認をしてくる健ちゃんである。

お前等、絶対に愉しんでんだろ。真はマジで嫌そうな顔をしてるけどな!!

で、見事と巻き込んでいく高尾である。しかも、真をピンポイントで狙い撃ちで草。

つーか、一哉と康次郎は悪乗りやめろや。そして弘は、面倒くせぇ…って顔してスルーすんな。


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