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…どうしてこうなった。
両手に袋を持ち、仕方なくインターフォンを鳴らす。
そして暫くして、わたしのスマホが鳴り入って来いとのLINEが届いた。
仕方なく玄関のドアを開けて中に入り、お邪魔しまーすと言いながら部屋に向かった。そして一応、ノックをしてから部屋に入ると辛そうにベッドに寝ている真がいました。
「…おせぇんだよ」
「急に呼び出しといて何様だ」
「飲み物」
「本当に何様だ。ていうか、薬は? 昼は食べたの?」
「食べてねぇから飲んでねぇよ」
「バカかな? おら、デコ出せデコ」
真の態度にイラッとしつつ、顔が真っ赤な上にいつもの目付きの悪さが嘘のようにとろんとした目でわたしを見てくるので、仕方なく買って来た飲み物を袋から出して渡す。
そして更に袋から冷えピタを取り出し、強引に真のオデコへ貼り付ける。まぁ、冷えピタとかって本当は熱にあんまり意味ないんだけどね。そもそも、額には太い血管通ってないし。
でもホラ、なんか気分的に楽になるじゃん? 冷えてるな〜みたいな。それに額が冷えると、熱の不快感が減って脳が眠りやすくなるとかそんな感じって健ちゃんが言ってた。
で、このバカはご飯を食べてないらしいのでもしもの為にと買って来た飲料ゼリーをベッドに投げると何故か嫌な顔をされた。
「そこはお粥とか作れよブス」
「我儘言ってんじゃねぇぞ、お粥なんか買って来てねぇよ」
「あるもん使っていいから作れって言ってんだよバァカ」
「作って貰う奴の態度じゃねぇんだよなぁ。面倒くせぇなぁ…弘でも呼ぶか」
「呼んだら殺す」
「お前、まじでなんなの? 高熱だからってなんでも許されると思うなよクソが」
そもそも、食欲がないなら飲料ゼリーで我慢しとけよ。特に真に関しては、お粥なんか作ってもやっぱり食いたくないとか言い兼ねないからね。
だけど、まぁ…。
別にお粥なんてすぐに作れるし、そこまで嫌な訳じゃないからいいか。強いて言うなら、人様ん家のキッチンを借りるっていうのが少し不安だけど。正直、あんまり弄って欲しくないだろうし。
とりあえず、真にキッチンに入る事と冷蔵庫やらを開けたりする事に関して許可を貰って、仕方なくキッチンへ向かう。
ていうか、真ん家って無駄に広いんだよなぁ。そもそも、住んでるのは真とお母さんだけのはずなのに…なんて言うか、まさに妾だという闇を感じる。
そんな事を思いながら、とてつもなく大きくて綺麗なキッチンにドン引きしつつ、ササッとお粥を作った。
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