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そして無事に健ちゃんに保健室まで運んで貰った訳だけど、物凄く注目の的だった。まじで恥ずかしいわ。
もう絶対に薬は忘れないと心に誓った。
そして健ちゃんは部活には向かわず、真と同じ様にわたしのお腹を擦ってくれてて、保健室に来てから30分くらい経った頃、真が保健室へ到着した。
「ほらよ、すぐに飲んでいいか確認取ったから早く飲め」
「あぁ、花宮の鎮痛剤飲んだんだ? ていうか、これで薬忘れたの何回目?」
「さ、3回目です」
「花宮がここまでするって事は、今回は相当酷かったんだね」
「まぁ、タイミング最悪だったみてぇだからな。前の時みたいに自分で帰れたらそうしてただろうけど、無理そうだったんでな」
「も、申し訳ない…。まじでありがとう」
真に投げ渡された薬袋から鎮痛剤と胃薬を取り出し、すぐに服用した。もう少し痛みが落ち着いたら、帰ろうかな。
残念ながら、今日のわたしは戦力外である。もちろん、薬が効いてきたら大丈夫なんだけどさ。なんか、健ちゃんに抱き抱えられて保健室に運ばれといて戻るのもちょっと変だし。
しかし、何故か真も健ちゃんも部活に向かう様子がない。もう大丈夫なんで、部活に行って貰って平気なんですが…どうしたよ。
「千夏が珍しくアホ面してて可愛いね」
「なっ、健ちゃん!? ていうか、わたしはいつでも可愛いわ!」
「部活が終わるまで此処で待ってろ。保険医には言ってある」
「はい?」
「今日は、花宮がとびきり優しい日だね」
「え、わたし死ぬんか? 世界が滅亡するんか?」
「あ? 今すぐ犯してやろうか」
とりあえず、なんかキレ出した真を無視して、どういう事だと健ちゃんを見つめると何故かにこにこで草。
いや、確かに真にしてはヤケに優しいよね。いくら、わたしが苦しんでるからってちょっと怖いくらいに優しいよね。なんなの? わたし、なんかされんの? まじで犯されんの? クソじゃん。
とか色々と考えてたら、真がいいから待ってろよとわたしのカバンをベッドに放り投げ、さっさと保健室を出て行ってしまった。
…いや、なんだあいつ。
「最近、花宮が千夏に色々と頼んでたでしょ」
「え、それいつもじゃね?」
「まぁ、そのせいで薬を貰いに行くの忘れたからじゃない? それに毎回、花宮は女の子の日は優しい方でしょ」
「まぁ、いつもよりかは優しいよね」
「千夏の場合は、症状が重過ぎて見てて怖いくらいだしね」
…ふーん、なるほど?
まぁ正直、真が優しかろうと別にどうでもいいんだけどね。わたしとしては、動くのも辛いから、色々と助かるしね。
そして、じゃあ俺も部活行ってくるねとポンポンとわたしの頭を撫でる健ちゃんに、どうせ練習せずに寝るのでは? とか思いつつ、手を振って見送った。
今日は、本当に優しくされる日だな。
※部活中
(千夏が気味悪がってたよ)
(知るか)
(花宮が千夏の薬使ってたのにね)
(アホだからな、あいつ)
(花宮は偏頭痛酷いからね)
(それでもあいつの痛みよりマシだろ)
(失神するレベルとか怖いよね)
(目の前で救急車で運ばれたからな)
(それは、優しくもなるね)
(うるせぇ、そんなんじゃねぇよ)
(薬のお詫び的な?)
(まぁ、また倒れられても困るからな)
(千夏はすぐ我慢するしね)
(学習能力がねぇからな)
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