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いつもの様に痛みで目を覚ますと、真がゆっくりと本を閉じてわたしを見つめた。
「痛みで起きたか」
「御名答。まぁ、ピークの時よりましだけど」
「まぁ、もう放課後になるけどな。病院に電話して薬頼んどけ、取りに行ってやる」
「ま?」
「さっさとしろ。薬なしで帰れる自信があるなら別に構わねぇけど」
「お、お願いします…」
流石に帰れないのは困るので素直に頼む。まぁ、最悪はどうにか時間を掛けて帰るつもりだったけど…真がそこまでしてくれると言うなら、甘えよう。
そして真に言われるがまま、病院に電話をして薬を頼んでおいた。ていうか、今更だけどさ…真は普通に産婦人科に薬を取りに行けるのかね?
産婦人科だぞ。
お前、制服で行く気だろ。
色々と不味いのでは?
いや、真だから大丈夫か。
「保険証と診察券、寄越せ」
「今、持ってる訳なかろうに」
「チッ、教室にあるんだろ。勝手に持ってくぞ」
「財布だけだぞ! 他は漁るなよ!」
「興味ねぇよバァカ」
「部活はどうすんの?」
「古橋に頼んである。お前は、起きてられるなら起きとけ。他の部員が無駄に騒ぐからな」
「ん、おっけー」
今更、わたしのカバンを漁ったりするのは一哉くらいなので…まぁ、大丈夫だろう。
そして大人しくしてろよと部室を出て行った真を見送りつつ、まだ疼いているお腹を擦りながらゆっくりと起き上がる。
何気によく寝てたな。
まさか、放課後近くまで寝てるとは思わんかった。すぐに痛みで起きると思ってたし。
とりあえず、少し動ける内にトイレに行っておこう。そして、真が帰って来るまで大人しくしていよう。
だが、既に放課後になる直前だったのでトイレを済まして暫くして…普通に部員達が来てしまった。部室で毛布を掛けながら座っているわたしを見て、そりゃあもう心配そうに大丈夫か大丈夫かとうるさい。
そこにいつもなら、わたしが起こさないと部活に来ない筈の健ちゃんが登場。間違いなく、真が健ちゃんを起こしたんだろう。まじで今日は、真が優しい日です。
そして、さっさとお前等は準備してと眠そうな声で指示をするとカバンを持った健ちゃんがゆっくりとわたしの元へ向かってくる。
「花宮から聞いたけど、大丈夫? もしなら保健室で待ってろって花宮が言ってたし、運ぶけど」
「大丈夫だよ」
「いや、普通に顔色良くないけど。此処だと休まらないでしょ、素直に運ばれときな」
「……じゃ、じゃあお願いしようかな」
「ん、素直でよろしい」
いや、もはや断れない状況を作っといて何言ってんだ。まぁ、それが健ちゃんの優しさなんだろうけどさ。
そして軽くわたしを抱き抱える健ちゃんに猫被り全開で、お礼を言えば "どういたしまして" と笑われた。
ちなみに他の部員には、体調悪いから保健室に置いてくるとだけ説明しました。
普通にわたしが部活休む感じになってて草。
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