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ひ、ひぃっ…ぐはぁ…うぐぐ。
真と痛みとの激しい攻防の末、わたしはベンチチェアに横になる事に成功した。
尚、薬は今さっき飲んでカイロも真に貼って貰いました。そして真はと言うと、なんか知らんけど部室を出て行きました。いや、もう既に授業始まってるし、サボってんのに堂々と出て行くのはどうなんだ。
とりあえず、わたしは真の上着を掛けてベンチチェアに横になりながらお腹を擦っています。全く治まる気がしねぇな! 元気ハツラツなやつめ! ふざけやがって!!
そして暫くして、真が戻って来た様で部室のドアが開いた。で、視線だけ真の方に向けると見慣れた毛布を腕に持っていた。
「ん、保健室で借りて来た。後、飲み物」
「…あ、ありがと」
「まだ全然治まんねぇの?」
「うん」
「ピル飲めピル」
「合わなかったんですぅ」
「ふはっ、知ってる」
なら言うんじゃねぇよ。
だけど、そんな事を言いながらもわざわざわたしが横になっているベンチチェアの側に座り込み、毛布の上からお腹を擦ってくれているツンデレな真である。
…中学の時も、よくこうして真に介抱されてた気がするなぁ。まぁ、中学の時は生理痛で病院に行くのが恥ずかしくて市販のでやり過ごしてて、普通にぶっ倒れたからね。痛みのショックで失神したからね、わたし。
で、それがきっかけで病院に行く様にはなったんだけど…ピルは合わないし、漢方も続かない上に効かないので結局はかなり強い鎮痛剤を使ってます。
まぁ、それを真は知っているのでこうも手厚く介抱してくれている訳です。
「毎回思うが、お前も女なんだな」
「…殺すぞ」
「ふは、顔色最悪だな」
「…でしょうね」
「腹じゃなくて腰擦るか?」
「動きたくないからお腹でいい。心を込めて優しく擦れ」
「何様だお前」
流石に少し痛みが引いてきて痛みによる冷や汗も治まって来た。いやまぁ、普通に全然痛いんですけどね。
そして真は器用に、わたしのお腹を擦りながら片手で読書をしている訳だが…なんかちょっと疲れて眠くなって来た。
いや、普通に寝れば良いじゃんって話なんだけど…なんか、ホラ、ね? ちょっと寝辛いって言うかさ…いつもみたいに机に突っ伏して寝る訳じゃないしさ。ましてや、真がいる訳で…いや、腕で顔隠して寝ればいいや。
「…ねぇ、真」
「なんだよ、ムラムラでもして来たか」
「ねぇよしね」
「安心しろ俺もだ」
「うるせぇよバカ」
「で、なんだよ。飲み物ならあるだろ」
「いや、少し寝るから終鈴が鳴ったら起こしてって言おうとしただけ」
そして真の返事を聞く前に目元に腕を置いて、目を瞑った。
最悪、起きたら帰ろうかな。
病院に薬を貰いに行かなきゃだし。
そんな事を思いながら、真がわたしがすぐに寝れる様に優しく子供を寝かし付ける様に一定のリズムでお腹を擦ってくれて、すぐにわたしは意識を手放した。
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