日常編 | ナノ
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まぁ、とりあえず…盗聴器はなかった様なので真に対して不満をぶち撒けているとプレゼントを物色していた一哉が声を上げた。



「まさかのブランド財布のスリーペア!!」

「ブランドのスリーペアとか…」

「で、花宮は使う気あるの?」

「あ? ねぇよ。今のでいい」

「確か、去年賭けに勝って千夏に買わせた奴だったか?」

「あれクソ高かったからね、捨てたら殺す」

「メンヘラ束縛彼女かな?」



どうやら、わたしが買わされた財布の新作らしい。まぁ、普通に財布は使う時に出すし真の酔狂なファンが真が使ってる財布のチェックしてない訳がないので仕方がない。

だけど、さすがにスリーペアは草。しかも使わないのかよ、そこは "お前に買わせた財布はもう用済みだな、ふはっ!" とか言うところだろ。ただし、そんな事を言ったら殺すけどな。その財布で殴り殺すけどな。

そして更に出て来るブランド品の財布やら定期入れに草。いやぁ…今時の高校生って金持ちだな、やべぇな。

尚、そんなブランド品を何食わぬ顔で売る更にやべぇ奴がこのクソ眉毛なんですがね。ていうか、まるでプレゼントを見てないからね。読書に夢中だからね、こいつ。



「花宮、これ貰っていい? ちょうど、新しいフェイスタオル欲しくてさぁ」

「あ? 好きにしろ」

「いえーい! あ、このストラップももーらい!」

「そして平然と人にプレゼントを横流しするクズと、喜んで貰うクズである」

「もはや、見慣れた光景」
「原だから仕方ない」
「まじであげた奴が可哀想」

「しかも食べ物は、開ける事すらせずにごみ袋にシュートしてて草しか生えない」



本当になんでこんな奴にプレゼントするんだろうね? 時間も金も労力も無駄にしてるからね、いやまじで。

見る事すらして貰えないプレゼント達が可哀想ではあるが、受け取り相手が真の時点で終わってるからね、仕方ないね。

そして軽く選別をしながら、自分が貰う物を物色している一哉が更に声を上げた。



「今年、やたらと手作りマフラーが多くて怖いんだけど。髪の毛と一緒に編まれてそう」

「ありそう」
「呪われそう」
「死にそう」

「誕生日プレゼントに呪いの産物を贈られてて草」

「あ? テメェも変わらねぇだろ。クソキモいオリジナル曲とか詩とか貰ってただろうが」

「やめろ、夢に出て来る」



わたしが貰った呪いのプレゼントの話はやめるんだ。軽くトラウマになるレベルで気持ちが悪かったからね、本当に笑えないくらい鳥肌立ったからね。

いやぁ、やっぱりプレゼントって恐ろしいわ。無料程、怖いものはないね! 当たり前だけど、自分で買ったものが1番だよ、うん。


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