日常編 | ナノ
(2/4)

そして、余り長居は出来ないので相変わらずクラスメイトや教師からの称賛を浴びている千夏を心の中で笑いながら、逃げる様に抜き足差し足で屋上へと向かった。

なんかやる気失せたし。それにもうちょっとでチャイム鳴るしね。



「で、つまり? 千夏が女子に妬まれてるって事だろ?」

「ザキに話すのまじで疲れんだけどー。察し悪くて面倒くさ」

「うっせ! つーか、お前等が変に察しがいいだけだろ! 普通は、わかんねぇよ」

「さすがレギュ陣の一般人代表」

「殴るぞ」

「いや、ザキはそれでいいんだってー。ザキは今のままのザキがいいよ、うん」

「それバカにしてんだろ!!」

「いやいや、褒めてっからね?」



まぁ、ザキは確かに性格は良くはないけど俺等に比べればまともな感性の持ち主だから、千夏の猫被りに気付かない奴等と同じ感じだよね。

いや、性格はまじでかなりクソ寄りだけどね。

ていうか、さっきの話も別に千夏から直接そう説明された訳じゃないんだよねー。まぁ、そんな感じのニュアンス的な感じで話してたみたいな?

"わたしが完璧でいる限り、どんなにわたしが憎くて羨ましくても…敵意を剥き出しにしたところで、周りが望む完璧な優等生なら勝手に守ってくれるでしょ?"

ってね。
歪んでるっつーか、単純に計算高くてこえー女って思ったよね。

花宮なんか、バレたらバレたでどうでもいいって言ってたのに。まぁ、花宮の場合はただ優等生でいた方が色々と楽だからとか言ってたけど。



「つーか、俺等がいるんだし。そんな完璧な優等生でいる必要ねぇのにな」

「ま、俺等の前では素でいるんだから気にすんなって」

「学校だとほぼ見ねぇけどな」

「レギュだけの時とかは素じゃん? それに小声の時は普通に毒全開じゃん」

「それ部活の帰りと、小声の時だけじゃねぇか」

「それだけで十分じゃーん」

「…辛くねぇのかなって、よ」

「ザキ、それ千夏に言ったらキレられるよ」

「わかってるっつーの」



ほら、俺等って多分どっかしら普通ではないからさ。お互いに無駄に詮索しないってのが暗黙の了解になってるみたいな。

で、信用とか信頼とかそんなもんはクソ程ないけど、否定はしないんだよね。

つーか、別に関係ねぇし?
まぁ、どうでも良くはないけど今更それがなに? みたいなさ。もちろん、興味はあるけどね。千夏の過去とか、花宮の過去とかさ。

でもそれを聞かないのは、俺も色々と話したくない事があるから。つーか、聞きたいならお前も話せよみたいなのとか嫌だし? 別に話す分には構わないけど、色々と面倒じゃん。

まぁ、千夏とか花宮達が批難したりとかの心配は全くないけど。なんつーか、別に話す必要性がないみたいな?

prev / next

[ back to top ]