日常編 | ナノ
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なんだかんだ、カフェでは色々と話した訳だが。やっぱり、なんていうか高尾って裏表ない様でバッチリ裏表あるよな。

つーか、真とは違う猫被りだよね。

いや、まぁ…わたし達とあんだけ絡める奴が裏表もなく性格が良いイイコチャンだったら、ある意味ヤバすぎるけど。

ちなみにカフェ代は高尾が払ってくれたよ。ていうか、勝手に支払われてキレた。わたし、無意味に奢られるの嫌いなんだよね。最初から奢って貰うつもりならいいんだけど、今日はそういうつもりじゃなかったし。

なのに何故か、高尾に爆笑されて更にキレそうになった。



「で、嫌だっつってんだろ」

「1枚! お願いしますよー」

「自分の顔とかが残るもの嫌なんだけど」

「悪用とかしないッスから! 自慢はするかもッスけど」

「いや、誰に自慢すんだよ。自慢にならねぇだろ」

「そりゃあ、原さんとか!!」

「……お前、まじで良い度胸してるよな。よし、撮ってやろう。めっちゃ仲良さげにな!!」



カフェを出て、すぐにゲーセンに来たのはいいけど…正直、早々に帰りたいオーラを出していたわたしに高尾が何を思ったのか、手慣れた手付きでクレーンゲームでぬいぐるみを取った。

尚、わたしの反応は"お前、まじで器用だなぁ"の一言である。可愛さの欠片もねぇ。いや、別に欲しいとか言ってねぇしな。そもそも、全然知らないキャラのぬいぐるみですし。

で、高尾は得意気にそれをわたしに渡すと、何故か写真を撮らせろと言い出した訳だ。

そして、何かと"また高尾と連絡してんの?"とかウザい彼女の様な確認をしてくる一哉をからかうには、ちょうど良いので許可した。

とびきりの笑顔で高尾と一緒にぬいぐるみを持って、寄り添うように小さく頭を傾げて。



「ぶっは!! ちょ、千夏さんっ…ぎゃはは!!」

「キモくて草」

「どんだけ自分を可愛く見せるの上手いんスか! ぶはっ…やば、めっちゃ可愛いじゃないッスか!」

「クッソ笑ってんじゃねぇか」

「いや、だって…ぶふっ! あ、これ待ち受けにしときますね!!」

「やめろばか」

「で、原さんに " 千夏さんとデートなう! 俺等お似合いじゃッスか? "っと…」

「わたし、お前のそういうとこまじ好きだわ。無邪気に煽る感じとか、最高にクソで好き」

「ぎゃはは! それ褒めてます?」

「クソ褒めてるよ」



ちなみに一哉達と写真を撮る事はあるが、本当に嫌々撮る感じだったり、いつも一哉が盗撮する感じなので、こんなにわたしがちゃんと撮って良いよと言わんばかりの顔をしている写真は今までにないと思われる。

ていうか、なんか一哉から電話掛かって来たんだけど。

まじで草。

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