日常編 | ナノ
(2/4)


そもそも、千夏が誰かを好きになったとしても絶対に素直に甘えたりはしないだろうしね。

……ん? いや、俺には結構素直に甘えて来る事あるよね。まぁ、あれは好きだとかじゃないからどうでもいいけどね。



「なら、俺だって千夏にベタ惚れされてぇわ! あのクッソ生意気な千夏が俺に色目とか使って来るのを鼻で笑いてぇわ」

「いや、鼻で笑うのかよ」

「だって千夏だし」

「お前は、千夏をどうしたいんだよ」

「下僕並みに調教したい」

「ゴミカスかよ。そもそも、千夏が原に好意を向けるとか想像出来ねぇけどな」

「だからこそ見てみたくないか? 俺等に必死に好かれ様とする千夏だぞ? 滑稽だと思わないか?」

「うわぁ…クソしかいねぇ」



相変わらず、原と古橋は変に千夏を好きだよね。まぁ、思い通りにならない千夏だからこそなんだろうけど。

なんていうか、やっぱりずれてるというか…頭おかしいよね。まぁ、知ってたけど。

そもそも、俺等に媚び売るとか千夏であって千夏じゃないというかさ。なんか単純に嫌だよね。



「まぁ、ザキはヘタレだから仕方ないとして〜、花宮なら千夏になんでも出来るとしたらなにする?」

「あ? 別になんもしねぇ」

「絶対に嘘だね! 絶対に千夏の事を思い通りに出来るってなったらエグい事するじゃん!」

「っせぇな…そもそも、あのクソ女が思い通りになったらただのつまらねぇクソ女になるだけだろ」

「いやいや、花宮は思い通りにならない事があるとぶちギレるじゃん」

「千夏だけは別なんでしょ。ていうか、そんな簡単なヤツになったら千夏じゃないし」

「うむ、一理あるな」



そりゃあ俺だって思い通りにならないヤツにはイライラするけど、千夏の場合はまた別というか、頭が悪くて思い通りにならないとかじゃなくて、なんでそうなるの?とは思う事が多いだけで理解は出来るからね。

ていうか、古橋の好みの話はどこにいったの? 誕生日プレゼントに何が欲しい?って話じゃなかったっけ。

…いや、別にないって言ってたっけ? まぁ、俺も物欲はないから人の事は言えないけど…なんの参考にもならないよね。




prev / next

[ back to top ]