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着替えてリビングに戻るとわたしに言われた通りに上着をハンガー掛けて、姿勢正しく座っている高尾にちょっと吹いた。
なんか新鮮だな。
大体、此処に来るヤツは好き勝手に過ごしてるからな。まともに座ってるヤツがいた試しがない。
「高尾、こっち来い。まだ手洗ってないっしょ」
「あ、はーい」
「急に大人しいかよ」
「いや、なんか不思議だなぁ〜って改めて思ってたんですよね」
「何が?」
「いやぁ、あの変な体験がなかったら千夏さんとこうしてまともに話す事も、ましてや家に来るなんて絶対になかったよなぁ〜って」
「いや、お前クソ性格わりぃからワンチャンあったかもよ?」
まぁ、確かにアレがなかったらって考えると変な感じはするか。正直、関わる前から高尾が性格悪そうなのか感じてたけど、わたしからは絶対に絡まないだろうし。
ていうか、緑間と一緒にいる時点で論外だったし。マジでキセキの連中とは関わりたくないからね、仕方ないね。
未だに、わたしの知らないところで死んで欲しいくらいには、大嫌いだからね。
「正直、最初はクソうぜぇって思ってましたよ? むしろ、マジで最低な奴等って認識だったんすけど」
「前も言ってたな、それ」
「それでもなんつーか、嫌いになれないっつーか…正直、キセキが嫌いな理由もなんとなく察しがつくし」
「まぁ、だからお前は賢いと思うよ。わたし達は、ただの自己満でやってるからね。頭良いけどクソバカな事してるからね」
「ぶはっ! 自覚あるところが更に質悪いッスねぇ。でも間違って俺が秀徳じゃなくて霧崎に行ってたら〜とか思うと、ちょっと思うところがあったり?」
「なに秀徳に行った事、後悔してんの?」
手を洗いながらする話ではないが、わたしは大して気にしていないので問題はない。
ていうか、ただのたられば話だしな。確かに、高尾はどちらかと言えばわたし達寄りだし? 詳しくは知らんし、直接聞いた事はないけど、多分こいつもキセキが嫌いっつーか苦手な感じするし。
で、仮に高尾が霧崎に来てたとしたら…まぁ、普通に馴染むんじゃねぇの? 一哉程、攻撃的ではないだろうけどいい性格してるから即戦力だろうし。バカではないから、真も扱い易いだろうからね。
アレ? こいつ、マジでうち等と相性良くね? むしろ、視野広いし1番欲しい逸材で草。
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