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康次郎の誕生日から数日後、今日は一哉の誕生日である。尚、土曜日なので朝から普通に部活です。なので、軽く朝会った時に可愛くて優しい猫被りマネージャーの千夏ちゃんでおめでとうは言っておきました。
尚、物凄く機嫌が悪い様で無視されました。このわたしがわざわざ可愛く言ってやったのにマジでクソ。
いや、一哉がクソなのは知ってるけどな。
しかし、去年の誕生日は祝って祝ってうるさかったヤツがこうも静かだと気味が悪い。まぁ…なんとなく理由はわかってるから、あえて触れるつもりはないけど。
「…原のヤツ、機嫌悪過ぎね? わざわざ、アイツが欲しいって言ってたスポブレ買ってやったのに要らねぇとか言うしよ」
「優しいヤツめ」
「誕生日にこれくれってうるさかったんだよ。なのに要らねぇとかこっちがキレそうだっつーの」
「そりゃそうだ。つーか、もう弘がそれ使えば? まぁ、色的に一哉っぽいけど」
「けどよー…原の誕生日プレゼントって事で買ったから、なんかなー」
「たまにマジで、なんで弘がわたし達と一緒にいるか疑問に思うわ。ただの良いヤツかよ」
そして一哉の機嫌が悪いのはわかっているが、理由まではわからない弘が物凄く可哀想である。
しかも、散々欲しいと言っていた物を買ってやったのに要らねぇと突き返される始末である。マジで弘は、なんも悪くねぇのにひでぇや。
そもそも今回の一哉の機嫌が悪い事に関しては、誰も悪くない。強いて言えば、一哉本人が悪いからね。まさにとばっちりである。
つーか、康次郎にはプレゼントとしてその辺のどこにでもある菓子パンをあげた弘が、わざわざ欲しがってたからってそれなりに高いスポブレを買って来てくれた時点でお前は満足しろよ。
正直、一哉の気持ちもわからなくもないけど…どうしたって無理なもんは無理だし。それにわたしも全部を知ってる訳じゃないけど、ちゃんとプレゼントまで用意してくれておめでとうって言ってくれる友達がいるだけいいだろ。
つーか、月曜日になれば嫌って程プレゼントもおめでとうも貰えるだろうに。いや、まぁ…そういう問題じゃないからこそ物凄く機嫌が悪いんだけどさ。
「千夏は、原と話したん?」
「話したっていうか、顔合わせた時に猫被りのまんま、おめでとうって言ったらシカトされた」
「…マジかよ」
「マジマジ。ホント、アイツ面倒くせぇよな」
「花宮は放っとけって言うしよ、瀬戸は仕方ないねとか言ってたし、古橋は興味ないとか言ってたし。お前等なんなん?」
「あれ、その言い方だとお前等の中にわたしも入ってね?」
「入ってんね。理由は知んねぇけど、去年の時と全然違うのはわかるじゃんか。なのに放置ってどうなん?って思うじゃん」
いや…うん、一哉はマジで1回弘に謝った方がいい。そして感謝すべきだと思いました(小並感)。
つーか、理由を知ってて黙ってる真と健ちゃんはいつも通りと言うか…まぁ、わかりきってたけどさ。問題は、なんも知らないけど一哉をどうにかしてやりたいと思ってる弘なんだよなぁ。
尚、マジで興味がないであろう康次郎はスルー。まぁ、多少は気にはしてるだろうけど、理由とか説明したところで康次郎には理解出来ないだろうしね。
はぁ…ったく、しゃーねぇなぁ。
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