日常編 | ナノ
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今日はたまたま教室ではなく、久し振りに部室で昼飯を食べていた。なんとなく気分が良くなかったり、色々とやりながらご飯を済ませたい時はこうして部室で食べるんだけど…



「ねぇ健ちゃん、人のお弁当からおかず取るのやめてくんない? 別に食べない訳じゃないからね」

「知ってる」

「ならやめろや。お弁当忘れたなら買いに行け買いに」

「財布も忘れたから無理」

「それは予想外だった。なに、具合でも悪いの? ボーッとし過ぎじゃ」

「ないよ。家出る時に母さんに呼び止められて、その時に下駄箱の上に財布もお弁当も置いちゃってそのままなだけ」

「充分ボーッとしてる件について」



そして今日、部室にいるのは作業中でなかなかお弁当が食べられないわたしをいい事におかずを盗み食いしている健ちゃんと今はジュースを買いに行ってる康次郎と弘とわたしの4人だ。

なんか真は用があるとかなんとかで委員会の人に誘われたらしく、珍しく食堂で食べてるらしい。

で、一哉は女の子がお弁当を作ってくれたとかなんとかで一緒にお弁当を食べに行ったと弘が言ってた。あいつの事だから "えぇ、不味いんだけど〜" とか普通に言ってそう。



「ていうかさ、今日って古橋の誕生日だよね」

「そうだね。朝からプレゼントちょいちょい貰ってたよね」

「おめでとう言った?」

「逆に言ったと思ってんの?」

「だよね知ってた。千夏だもんね」

「どういう意味だ。ていうか、康次郎は別に誕生日とか気にしてないでしょ」

「プレゼントは渡さなくても、一応おめでとうくらい言わない? 俺ですら言ったのに」



そんな事を話していると康次郎と弘が戻って来て、わたし達の分の飲み物まで買って来てくれてた。尚、財布がない健ちゃんはなんの躊躇もなくコーヒーを選び飲んでた。

いや、流石に弘も奢るつもりで買って来てくれてるからわかるけどさ。もう少し、感謝しろよ。誕生日は祝うのに、奢りに関しては軽いのなんなん? 一応、お礼は言ってたけどさ。



「ねぇ、ザキは古橋に誕生日おめでとうって言った?」

「いや、急になんだよ。まぁ、普通に朝に言ったけどよ」

「あぁ、確か原と一緒に言われたな。そのすぐ後に瀬戸と花宮にも言われたが」

「…え、なんかおめでとう言ってないわたしが悪いみたいな流れになってない!? いや、タイミングなかっただけだから!」

「いや、まぁ…いいんじゃね? 元々、千夏はそういうタイプじゃねぇんだし」



なんか軽く弘にディスられてる気がするが、普通に康次郎と顔合わせてなかっただけだからね。わざと言ってない訳じゃないから!

だってわざわざ、教室まで行っておめでとう言うのも変じゃん。それに、わたし基本的に学校だと忙しいからね仕方ないね。

ていうか、真まで言ってる事に驚きなんだけど! あいつ、人の誕生日とか祝うより呪うタイプの癖に!


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