有能な生け贄 | ナノ
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17*(2/4)

とりあえず、シロに関しては正直よくわからない事ばかりでどうしようかと悩んでいたんだけど、わたしの独断でちょっと試したい事をやってみる事になりました。

もちろん、死ぬ可能性は大いにあるんだけど…そこはまぁ…わたしの力量次第って事で。



「そもそも、まだ完璧に回復もしてねぇのにバカなんじゃねぇの」

「ま、まぁまぁ…そう言うなよ。千夏も千夏なりに色々考えてんだって、多分…」

「いや、絶対にただの思い付きだね。ザキも瀬戸も千夏の事、甘やかし過ぎなんだよ」

「まぁ、原の気持ちもわかるが少し落ち着け。今更、千夏がやめる訳でもない」

「あぁー…もう、本当にクソ自己中なんですけど。なら、俺も一緒にやる。で、無茶したら頭引っ叩いてやめさせるから」



相変わらずわたしにキレている一哉に健ちゃんが呆れた様に笑ってるけど、何をどうしてそうなった? わたしは、自己責任でって事で1人でやろうとしてたのに、なにちゃっかり参加しようとしてんだこいつ。

ていうか、一緒にやるってなんだ? そんな事は、出来ないというか危険だからやめてくんない? バカなの?

ちなみにわたしがやろうとしてるのは、シロの封印の解除だったりします。もちろん、解除の呪文は前にシロに教えて貰ってたわたしだけが知ってるんだなぁ! ちなみに死ぬ可能性があるってのを知ってるのは真と康次郎なんだけど、真は意識ないからいいとして康次郎はなんかもうね、やってもいいけど死ぬなよ? って顔してるだけで別に止めねぇの。わたし、康次郎のそういう思い切ったとこ好き。しかも、それを黙ってるのも草。



「呪文、教えろって」

「嫌だって言ったら?」

「ははっ、お前さぁ…本当にいい加減にしろって。マジで殴るよ」

「ふっ…珍しく原が千夏にマジギレしてて笑うんだが」

「…笑い事じゃねぇんだよなぁ。千夏も意地張ってねぇで、教えろって…今更1人でってのは、なしにしようぜ」

「本当に花宮がいないと原と千夏は、荒れるね。まぁ、2人を止めるのがいつも花宮だったってのもあるけどさ」



そして、わたしと一哉のやり取りを周りがハラハラした目で見ててなんか笑えた。

いや、わたしと一哉の喧嘩とか結構ある事だからそんな不安そうな顔をされても困るんだけどさ。まぁ…今回は、わたしが悪い気もするから仕方なく折れてやるけど。

それに確かにちょっと意地を張ってたのはあるし、2人なら死ぬ可能性も低くなるかもしれないしね。

仕方なく一哉の腕を掴み、強引に引っ張り耳元で解除の呪文を伝えた。



「…でもなんだかんだ、あいつ等すぐに仲直りするよな」

「まぁ、お互いに意地張ってるだけだからね。巻き込まれると面倒だけど、見てる分には愉しいよね」

「だが、原も千夏も無駄に根に持つから長引くがな」

「あの2人、やたら面倒くせぇもんな…」

「じゃあ、2人で解除するって事で。2人だから、大丈夫だとは思うけど無理はしないでよ」

「んー、ならザキも参加しね? 3人なら余裕っしょ?」

「そして安定して巻き込まれるザキである」



おいこら、さっきから好き勝手言ってんじゃねぇぞ。

それと一哉の意見には賛成しとく。もう今更だからね、2人も3人も変わんねぇから。

どうせ、わたしは精神力を使い切るだろうし。なら、3人で分散した方がわたしの精神力を使い切らずに済む可能性も出てくるからね。まぁ、死んだら精神力もクソもないんだけどさ。

そして結局、3人でシロの封印を解除する事になった。


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