有能な生け贄 | ナノ
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16*(2/4)

とりあえず、色々と簡単に決め付けるのは良くないので詳しくは真達が帰って来てからって事になって、健ちゃんと一緒にちょっと魔導書を読みながらこれからどうするかをコソコソと話していた。

ちなみに暇をしている奴等には、英語の日記を読ませてるよ。もちろん、一哉達もね。



「健ちゃん的に、どう思う?」

「んー、正直まだわからない事が多過ぎて断言は出来ないけど…全員無事に脱出は結構厳しいかな、とは思う」

「流石、健ちゃん。現実を見てらっしゃる」

「そもそも、情報って言っても不確定要素ばっかりだし。最初に千夏も言ってたけど、どうしたって生け贄を生かして帰す必要性がないからね。むしろ色々と知ってる訳だし、普通に必要ない器は全員殺すんじゃない?」

「それな。だからシロを疑ってる訳じゃないけど、離脱の儀式が実は全員を殺す魔術とかだったら笑えないんだよなぁ…」



今更、離脱の儀式をしないって事はないけど…ちょっと色々とリスクが跳ね上がったと言うか、もしもの時が怖いんだよね。どうしても、手に入れた情報が正しいとは言えないし。誘導されてる可能性もある。

だけど、自分達だけではどうにも出来ないから…結局は、その情報に頼るしかない訳で。

しかも、時間も限られてて…悠長に色々と試したり出来る訳でもない。

んー…どうするのが正解なのかが、はっきりしてないのがなぁ。前の時は、なんて言うか…敵がハッキリわかってたし。なんとなくだけど、脱出方法もこれしかないんだろうなって思えたんだけど…今回は、なんかなぁ。



「じゃあ、もし千夏が黒幕ならどうする? それとシロはなんの為に用意する?」

「……そもそも、情報を与えないでシロを情報源にして誘導する…かな? もちろん、優秀な器が欲しいって事だから情報もそれなりに難解な感じにはするだろうけど」

「普通はそうだよね。なのに、いくら魔術で色々と封じているとはいえ、今のシロは黒幕にとって邪魔な存在でしょ? それに時間制で化物が召喚させるのも、よく考えたら無駄だし」

「健ちゃんが冴え冴えの冴えで草」

「色々と不可解な部分が浮き彫りになって来たからね。それにシロは、俺等以外の生け贄達と一緒にいた事があるっぽいし。最初は、黒幕から色々と情報を伝えられてる感じかと思ってたけど…俺と花宮の呪い関係でちょっと違和感を感じた。普通、黒幕側なら解除なんてしないだろうし」



…お、おっふぅ。
思っていた以上に冴え冴えの健ちゃんにちょっと驚く。

でも健ちゃんが言う通りで、まず離脱の儀式は置いといて…とりあえずはシロの存在理由だよね。

正直、今はわたし達にとって不利益な情報は言ってないし。曖昧とは言え、有益な情報しかない。だから余計にシロの存在が異質で、真とかが警戒してるんだろうけどさ。


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