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とりあえず、儀式に必要な物をメモして全員に渡す。何かあった時にメモを持ってる奴が、いなかったりしたら意味ねぇからな。
で、魔術に関しては俺の方には高尾と緑間がいるから大丈夫だろう。もちろん、福井さんも魔術は使えるみたいだが…俺に何かあった時に指示を出して貰わなきゃならねぇからな。
健太郎の方は、まぁ…あの今吉さんがいるから問題はない。
「花宮、シロはどうする? さっきから千夏のところに行きたがってるけど」
「ふはっ、つまりお前は探索には行きたくねぇって事か?」
「……そう、じゃないですけど」
「んー…、千夏さんを助ける気があるなら俺等と一緒に探索しようぜ。花宮さんが怖いなら俺といればいいし」
「…ん、わかりました。もうあんまり役に立てないですけど…探索には行きます」
「おっけ! よしよし、いい子。てことで、花宮さんいいッスか?」
「あぁ。だが、そいつは魔術が使えねぇから注意しろよ」
不安そうな顔をしているシロの頭を撫でながら、大丈夫と言わんばかりに笑っている高尾に健太郎が苦笑いを浮かべている。多分、今吉さんがいても同じ表情をするだろうよ。
俺等とはまた違うが、やはり高尾もなかなかいい性格をしてやがる。千夏の名を出せば、シロが拒否出来ないとわかっての、あの言葉。
自分はシロを信じてるし、千夏さんを助けたいから一緒に頑張ろうぜ? と、ここまで聞けば聞こえはいいが…本心は千夏の事は信じているが、シロの事は全く信用していない。シロを信じてる千夏を信じてるだけだ。
それを全く表に出さずにシロを手懐けようとしてる辺り、やっぱりいい性格をしてやがる。
「えっ、花宮さんも瀬戸さんもなーんスか? そんなに俺の事を見つめたりして」
「いや、本当にいい性格してるなって思って」
「ふはっ、俺等には真似出来ねぇよ」
「そうですね、高尾くんがシロに優しく接してくれたお陰で探索にも行く気になってくれましたからね」
「あー…なんて言うか、もう少し性格が歪んでると思ってたけど、やっぱり根はイイコチャンだね」
「ぶはっ、ちょ…やめて下さいよ! 腹痛い! ぶふっ…全然、話噛み合ってないし」
まるで見当違いな事を言い出す赤司にゲラゲラ笑い出す高尾。
とりあえず、シロは高尾に任せておけば大丈夫か。まぁ、シロの奴が実は心を読めてわざと高尾に懐いてるフリをしてる可能性もあるが…それならそれで、問題はない。
そもそも、シロをまともに信用してる奴の方が圧倒的に少ないからな。むしろ、千夏に引っ張られてるだけで内心は信用してない奴が大半だろうしな。
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