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で、普通に霧崎部屋に来た訳だけど。乱暴にわたしを座らせて睨んでいるこのクソ眉毛は一体なんなんですかね?
「実渕達もそうだが、お前も本気でバカだろ」
「あんな重要な情報を持ち帰ったのにバカとはなんだバカとは。むしろ、褒め称えろや」
「確かに重要だが、どう考えたってお前が脱出出来ねぇだろうが」
「ま、それはしゃーないっしょ。最悪はほら、シロがいるし。どうにかなるよ、たぶん」
「…結果的にテメェがまた重要ポジじゃねぇか。そんな奴が意気揚々と探索に行ってんじゃねぇよ、しね」
「呪われるよりマシ。それに関しては大変遺憾ではあるけど、器として誰かを生け贄に捧げるよりいいじゃん」
わたし達が持って来た情報の中には、脱出ではなく…生け贄としての離脱についての事が書かれてるんだけど…まぁ、それについて真がキレてる訳ね。
というのも、生け贄としての離脱方法は2つあって。1つ目は、生け贄の中から器を差し出す儀式。で、2つ目はわたし(女)が儀式を行う必要があるんですね。もちろん、死にはしないけどかなりのリスクを負う上にその後は、わたしが1人でどうにかしなきゃならない訳で…
まぁ、簡単に言えばわたしだけ取り残される可能性が高い上にかなり疲弊している状態なんですね。
そっからわたしが脱出する為の魔術を使える様になるまで、1人で耐久が始まる感じ。まぁ、せめてもの救いはその離脱の儀式はどこでも出来るって事だよね。
ていうか、普通に器として誰かを差し出すってなったら真になる訳だし。そこは素直にわたしに任せればよくね?
「要は、俺かお前かって話なだけだろ。そもそも、お前がその儀式の後に戻って来れる保証もねぇだろ」
「そりゃあそうだけど、間違いなく真は死ぬじゃん。だけど、わたしは確実に死ぬ訳じゃないし」
「…チッ、」
「前の時も最後は1人だったし、大丈夫大丈夫。それにさすがのわたしも真を犠牲にしてまで帰りたくねぇわ。もちろん、死なないって言うなら余裕で差し出すけど」
「…テメェは自分に対しての決断が早過ぎるんだよ。もう少し躊躇しろよ、このくそ女」
「うるせぇばか。グダグダ考えたってわたし達が理解出来る世界じゃねぇんだから、躊躇なんかしてたら何も出来なくなるだろうが」
わたしの言葉に真の表情がどんどん険しくなっていくが、そんなの知らんがなって感じだよね。そもそも、真を犠牲にしたところでわたしは帰れないし。ていうか、わたしは生け贄じゃないから離脱が出来ないっていうね! とばっちりな上に、ちゃっかり重要なポジで簡単には帰れないとか本当にクソだよね!
むしろ、これって途中で女が死ぬ事を想定してるよね。だって、女が死んだらどうしたって器として生け贄を捧げなきゃになる訳だし。だが残念だったな、わたしはそう簡単に死なねぇんだなぁ!
ていうか、なんで女の枠をわたしにしたんだよ。誠凜の監督や桃井なら余裕で器ゲット出来ただろうに。いや、その場合でも真が素直に生け贄になる訳がないので全く意味ねぇや!
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