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うっすらと霞む視界の中で、青峰が心底呆れたと言わんばかりの表情を向けていた。
はは、くそムカつくな。
「あ、青峰っちってば狡いッスよ! ちゃっかり志波さんの事、隠しながら話してて!」
「うるせぇのが来た」
「いや、お前もうるせぇからな? 仲良くどっか行けよ」
「それでなんの話してたんスか?」
「いや…まずは人の話を聞けよ、クソが」
あぁ…もう本当に面倒臭い。
追い払いたいのは山々だが…生憎、今のわたしにはそんな元気がないのだ。むしろ、今すぐにでも気を失いそうなくらいには疲れている。
というか、魔術を使い過ぎてガス欠状態なんですねぇ。
なのに、大嫌いなキセキの中でも話が通じない上に頭が悪いポンコツコンビの相手とかまじで勘弁して欲しい。
おい誰か、早くこのポンコツコンビを回収してくれ。
「おーい…志波さん? 本当に大丈夫ッスか?」
「………しね」
「すっげぇ顔してんな。どうしたんだよ」
「もーう! 青峰っちがなんかしたんじゃないんスかー?」
必死に意識が飛ばない様に眉間にシワを寄せながら、無駄に頭を働かせている。ていうか、こいつ等の前で気を失うとか絶対に嫌だ。
く、くそっ…もう自分でどっか行こう。適当な部屋で寝よう。これじゃあ、休まらないし。そもそも、こいつ等の相手をしている余裕もない。
ゆっくりと壁に手を付きながら立ち上がろうとすると、青峰と黄瀬が要らんお節介でわたしを支えようとする。
いや、お前等にそういうの求めてねぇから! そんな気遣いをするならどっか行けよ、クソがよぅ! だが、振り払う元気もないので無言で睨んでいたらグイッと乱暴に腕を引かれて、バランスを崩して腕を引いた人物の胸に飛び込んだ。
「…何してんだよ、お前は。さっさと休めバァカ」
「…うるせぇばか」
「テメェ等もこいつを構う暇があったら、もっと役に立つ事をしろ」
「へいへい」
「…はいッス」
「…ぬわっ、やめろ」
「あ? まともに歩けねぇ癖に黙ってろブス」
「呪われてた癖に威張ってんじゃねぇぞくそ眉毛」
いや、まぁ…そんな気はしてたけど、予想通りの真でした。いや、さっきなんか知らんけど目があったからね。別に助けを求めた訳じゃないけど、来そうな気はしてた。
そして問答無用と言わんばかりに、わたしの腕を掴むと肩を貸す様にして支えた。
いや、まぁ…抱えられるよりはマシだけどこれはこれでマヌケっぽくてなんか嫌なんだよなぁ。
そんな事を思いつつも、そのまま真に支えられながら部屋を出ました。
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