有能な生け贄 | ナノ
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……うーん。

なんとかシロが言った3階の東側の奥の部屋まで来たんだけどさぁ。なんていうか、あからさまにヤバそうな部屋で入るのを躊躇してます。

もちろん、シロを疑ってるとかじゃなくて単純にヤバそうな物が有りそうって事ね。重要な物なんだろうけどさ、ちょっと入りたくない雰囲気なんだよねぇ。



「ねぇ、シロ。わかってて聞くけど、中は安全なの?」

「……安全ではない、と思う。詳しくはわからないから…ごめんなさい」

「だよね、知ってた。とりあえず、わたしが入ってドアの文字を確認するから4人は離れてて」

「大丈夫なのかよ」
「平気なの?」
「俺が一緒に行こう!」

「重要な部屋っぽいし。入れる人数に制限とかある可能性もあるし1人でいい。で、わたしが助けを求めない限りは部屋に入るなよ。物音とかしても我慢して待ってろよ」

「スルーは悲しいが…志波さんの指示に従うよ」



よし、ウザ絡みはしてくるが森山が思ったよりも物分かりがよくて助かる。弘と実渕は、基本的にそこまでわたしに意見するタイプじゃないし。まぁ、弘は心配性だからちょっと面倒臭い部分はあるけどね。

そして警戒をしながらゆっくりと静かに部屋に入る。

う、わぁ…。
見た目からして重要そうな部屋で嫌な予感がバリバリですねぇ。内装的に書斎かなぁ…多分。なんか他の部屋よりも小綺麗な感じで凝ってる感じ。

で、ドアには "Non tollere" の赤い文字。

………はっ?

えーと…多分、持ち出すなとかかな? もう面倒臭いからラテン語やめろや、英語とか簡単なのにしろ!

とりあえず、この部屋にある物を持ち出さない方が良さそうかな。で、部屋に入るのは大丈夫そうなので4人に部屋に入るように手招きをした。



「入って大丈夫なのか?」

「入るのは大丈夫だけど、何かを持ち出すのはNGらしいから何か見付けたら頭ん中に叩き込むぞ」

「この部屋の物を持ち出すのがダメなら、メモはして大丈夫なのかしら? メモを持っているんだけど」

「はい、オカマ有能! 連れて来てよかったオカマ! やっぱりオカマはどの世界でも有能説!」

「オカマオカマ言うんじゃないわよ! 私はおねぇよ、失礼ね!」

「おねぇなのかよ…」
「お、おねえちゃん?」

「シロが混乱するからやめろや。お前はオカマだ、有能なオカマだ」



とりあえず、まさかの実渕がメモを持っているとかいう有能さに驚きつつ、重要な物を探し始めた。

ていうか、今度からは筆談も出来るしメモは持って探索しに行った方がいいな。今更ながら、わたしもバカである。

そしてシロを含めた5人で部屋の中を調べた。


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