有能な生け贄 | ナノ
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とりあえず、まずは真と健ちゃんの話をゆっくり聞こうか。わたしとシロが居ると、また話が変わるかもしれないし。



「ちなみにわたしは真と健ちゃんの意見とは関係なく、個人的にシロを信じてるんでよろしく」

「…おねぇちゃん」

「いや、千夏チョロ過ぎじゃね?」

「うるさい。で、真は仮に意見が通ったとしてこれからどうしたいの?」

「チッ…まずシロを隔離して監視を付ける。その上で探索をして、俺等だけで情報を集める」



シロを隔離して監視する意味とは。

今のシロは魔術が使えないって言ってんのに、なんて無駄なことを。ていうか、本当にあからさまにシロを敵だと認識してんだなぁ。いや、まぁ…しょうがないんだけどさ。

で、俺等だけで探索をするって事は今までと変わらない訳で…まるで進展しなさそう。しかも、文字が読めない人が多い上に化物は強いのが増えていくっていうのになんて呑気な。

うん、真が頭悪くて草。



「次、健ちゃんは?」

「今のままだとまともに情報収集出来ずにじり貧になって、壊滅すると思った。だから、シロを頼って少しでも可能性があるならそっちの方がいいでしょ。今のシロは、魔術は使えない訳だし」

「んー、正直に言うとわたしは健ちゃんの方が納得は出来るかな。あ、真は黙ってる様に」

「だけどよ、シロは人間じゃないんだろ? 花宮が警戒するのは当たり前なんじゃねぇのか」

「正直…見た目に騙されて〜ってのはもう嫌ッスからねぇ」

「あぁ…なるほど。真と健ちゃんだけでなく、君達の間でも意見が割れていると」



クソ面倒臭くてキレそう。
んー、これはどうしたもんかね。

さすがの今吉さんも真と健ちゃんの呪いを解いて強行突破が出来ない事を察した様で、苦笑いを浮かべている。

まぁ、だからといって真と健ちゃんをこのままにしておく訳にはいかないんだよなぁ。

とりあえず、意見が割れてるのは置いといて…まずは、真と健ちゃんの呪いを解くのが先かな。



「はぁ…。笠松さんと宮地さん、ちょっといいですか?」

「どうした?」
「なんだよ」

「ちょっと2人には部屋から出てもらって…今吉さん、他の連中に説明よろしくでーす」

「面倒な方、普通に押し付けるやん」

「言ったもん勝ちですしおすし。はい、じゃあ笠松さんと宮地さんはこっちに」



とりあえず、面倒な方を今吉さんに押し付けて…急にわたしに指名されて怪訝そうな顔をしている笠松と宮地を連れて部屋を出た。

ちなみに他にも呪いを解除出来る奴はいたけど、探索に行かせたい奴等ばっかりなのでこの2人にしました。

尚、わたしの独断である。


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