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部屋に戻るなり何故か真に睨まれるが、無視だ無視。しかも、なんかまた揉めてた様で珍しく健ちゃんが物凄く不機嫌そうに壁に寄り掛かっていた。
なんだ、このクッソギスギスした空気。どんだけ、真と健ちゃんはバトったんですかね。
まさかの一哉と康次郎が黙ってるくらいには、何かあったらしい。ちなみに弘は、何故か物凄く困った表情でわたしに助けを求めていた。
「で、わたしと今吉さんが密会してる間になにがあったの?」
「花宮さんと瀬戸さんの意見が割れに割れてしまって…」
「ほーん? 珍しいじゃん。なに? 真と健ちゃんもそんなに譲れない理由でもあんの?」
「誰も突っ込めなかった事を平然と突っ込む千夏に草」
「そして更に空気を凍らせていく」
「助けを求めた結果がこれである…」
「お前等は、黙っとれい」
「まさか理由も話さず、また言い合っとったんか? いや、まさかな! 頭脳明晰で冷静沈着の花宮と瀬戸くんがそんな無駄な事で時間潰す訳ないやんなぁ?」
ぶは、クッソ煽るやんけ。
さすが今吉さんである。
自覚がない上に呪いが掛かってる相手にも容赦しない辺り、さすがです。いいぞ、もっとやれ!!
もっと精神的に追い詰めるんや! で、自覚がないまま本音をぶち撒けさせるんだ! どうせ、色々と訳わからん事を溜め込んでるだろうからな。
呪いの解除は、その後でも遅くはない。
「…チッ」
「舌打ちじゃわかりませーん。はい、赤司説明プリーズ」
「はい。まず、花宮さんはシロにはまだ謎が多いが敵側の可能性が高いので余り頼りにしたくないと。逆に瀬戸さんはシロには謎が多いのはわかるが、色々な情報を持ってるからそれらを聞きながら色々と探っていくのがいいと」
「すっげぇ、下らなくて草。しかも、どっちもシロを疑ってるならどっちでもいいじゃん」
「それと、シロを志波さんから離した方がいいという話になって…花宮さんは無理矢理にでも離した方がいいと。逆に瀬戸さんは、下手に刺激しないでシロの好きにさせるべきと」
「いやぁ…まじでお前等、脳味噌溶けてんな。知ってたけど」
思ってたより、クソ下らない理由で笑う。ていうか、それ前に言い合いしたんじゃなかったの? 今吉さんから聞いた話だと、わたしが寝てる間にも言い合いしたんでしょ? なんという、時間の無駄使い。
いや、まぁ…真と健ちゃんもちゃんと結論を出さないと気が済まない性格だから仕方ないけどさ。どっちも折れない時点で、永遠と平行線な訳で…そんな無駄な話し合いをしてどうすんだよ。
やはり、呪いのせいなのか頭が堅いというか…視野が狭いというか、なんか頭悪くて草。
そんなわたしの言葉に更に機嫌が悪そうに舌打ちをする真と目を反らす健ちゃんであった。もはや、誰だよお前等。
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