有能な生け贄 | ナノ
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で、ある人物と目が合い意味有り気に笑みを返されたのでコクりと頷くとわたしと一緒に部屋を出た。

ちなみにシロはわたしの服を掴んだまま、黙って付いて来てるよ。

そして、空き部屋(話し合い中の部屋)から離れて階段近くまで移動した。まぁ、霧崎部屋でもいいけど…部屋に入ると視界が悪いし。聞き耳立てられたら面倒だからね。

各部屋共、階段からはそれなりに離れてるから多分部屋の中にいる奴等には話し声は聞こえないだろうし。



「…で、何か?」

「そりゃあ、ワシのセリフやで。どないしたんや、あいつ等は」

「どうしたとは?」

「ほな、質問変えるで。 花宮と瀬戸に何があった?」

「2人に何かあったと思った理由はなんですか?」

「千夏が寝とる時に花宮と瀬戸が軽く言い合いになったんやけど、その時に違和感を感じてん。まぁ、普通に考えたら霧崎の連中やからなぁ〜で済むんやけど、どうにもそう簡単なもんやと思えんかった」



珍しく真剣な表情をしながら、詳しくその時の様子を話す今吉さんにわたしの眉間にシワが寄っていく。

はーん…なるほど?
真と健ちゃんが言い合い? ますます、有り得ないんだよなぁ。しかも、すげぇ意味不明なんだけど。

つまりは、真はシロは信用ならないから頼りたくない。逆に健ちゃんはシロを信用してなくてもいいから頼らないと脱出は無理だと。

え、なに? 急に脳味噌でも溶けたの? 今は、シロの事よりも情報を集めた方が〜みたいな感じだったじゃん。

2人共、なんか支離滅裂じゃね?



「…で、それに関して意見した人はいたんですか?」

「赤司が単純に疑問に思ったんやろなぁ。シロの事は、一先ず置いとくという話では?って突っ込んだで。せやけど、状況が変わったって花宮が言うてな」

「………」

「ちなみに霧崎の連中は、最初は不思議そうにしとったけど納得したのかなんなのか瀬戸以外は特に意見しとらんよ。もちろん、特に違和感もなかったで」

「つまり、今吉さん的には霧崎全体と言うより真と健ちゃんがおかしいと」

「そういう事や。ワシの勘やけど、千夏は瀬戸に花宮がおかしいって言われたんとちゃうか? ワシは、個人的に花宮に瀬戸に注意した方がええって言われたで」



…いやぁ、そうくるかぁ。
え、なんなの? 急に方向性の違いで解散するインディーズバンドかよ。本当にどうしたよ、お前等。

もはや…お互いがお互いを疑ってて、あわよくば陥れようとしてる感じだよね。

となると、正直な話…真も健ちゃんも信用ならねぇなぁ。

え、なにこれリアル人狼ゲームみたいなの始まったんだけど、いやまじでふざけんなよ。


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