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…えーと、これはどういう状況なんだろうなぁ。
わたしから見たら、真も健ちゃんも違和感がある訳で…近くにいるシロは相変わらず、不安そうにわたしの服を掴んだまま黙っている。
えぇ…? ちょっと予想外の展開に頭が追い付かねぇんだけども。
オイオイ、こんな早い段階で誰かを疑う事になるとか思ってなかったんだが? しかも真と健ちゃんってどういう事だよ、絶望的に不味いんだが?
………。
「ねぇ健ちゃん、ちょっと気になる事あるからわたし達も話し合い見に行こうぜ」
「えぇ、まぁ…別にいいけど。多分、大した話し合いはしてないと思うよ」
「いや、真の様子を見るみたいな?」
「あー…ならいいんじゃない? 花宮っぽくない無駄な話し合いしてるってわかるし」
「あ、それは確かに」
いや、それはそうだ。
そもそも、真は無駄な事をするのが大嫌いだし。今の状況を理解出来ない奴等にまた1から説明するはずない。それに軽くではあるが、既に今の状況は説明してるし。
まぁ、アレかな? 日記とかの情報を纏めてる感じかな。正直、脱出の手掛かりになりそうな情報は無さそうだけど。
とりあえず、なんか健ちゃんといるのがちょっと怖いので移動しようそうしよう。
そして健ちゃんと一緒に話し合いをしてるという部屋に来た訳だが…
なーにしてんだぁ? お前等。
「あ、千夏じゃーん。やっと起きたの?」
「いや、寝るのに時間掛かっただけで寝過ぎてはねぇから。お前等と違ってわたしってば繊細だから」
「繊細とは」
「今は辞書がねぇからなぁ…」
「うむ、繊細の意味を勘違いしてる説」
「うるせぇバカ。で、何してんの? まさかと思うけど、あんた達も魔術を使う気?」
部屋には一哉達を始め、なんとなくメンタルが強そうな面々が難しそうな顔をして小さなメモを見つめていました。
で、察するに多分…魔術を使う為の呪文が書かれてる。
…うーん、やっぱりおかしい。
いつもの真なら無闇に魔術を使わせないと思うし、そもそもこの人数に使わせる意味がないよね。それに回復はすると言っても、元の場所に戻る時に精神力が足らなくなったら困る訳で…こんな大勢が呪文を覚える必要なくない?
まぁ、護身用って可能性もあるけど…なんかやっぱり変。
ちなみに魔術の種類は "対象を吹き飛ばす" だから、使えない魔術じゃないから…無駄ではないけどさぁ。
うーん、ちょっとなぁ。
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