08*(2/4)
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シロを抱えて部屋を飛び出し、一気に廊下を走り抜ける。
…まじで自分勝手。
だけど、俺が残ったところで文字も読めないし。葉山程、身体能力は高くないから…まぁ、わかってるんだけどさ。
それでも腹が立つ。
「あ、あのっ…」
「なに」
「おねぇちゃん達…」
「心配しても無駄。つーか、心配するくらいなら早く魔術使える様になってくんない」
「…ごめん、なさい」
「あぁっ…もう。つーか、あの化物についてなんか知ってんの?」
「ある程度なら…知ってます」
「……ふーん。じゃあ地下に戻ったらちゃんと説明してよ」
恐る恐るといった様子で脇に抱えてたシロが俺に声を掛けて来たのはいいけど、俺はまだ信用してないからね、こいつの事。
千夏の事を心配してるみたいだけど、そんなの信用する理由にならないし。ていうか、お前が魔術を使えたらこんな事にはなってない訳だし。まぁ、封じられてるみたいだけどさ。
それに地下にいる時に花宮に知ってる事を話せって言われてたよね? なのに、化物については何も言ってなかったよね。つまり、黙ってた可能性がある訳じゃん。
あれ、やっぱりこいつ敵じゃね? あの化物も実は、こいつが呼び寄せたとかさ。有り得ない話じゃないよね。
でも、まぁ…今はこいつを地下室に連れて行くのが先かな。で、花宮か瀬戸と一緒に千夏と葉山を探しに行く感じかな。いや、でも花宮がダメって言いそう。
そんな事を考えている内に、何も起こる事もなく階段まで辿り着き地下に下りた。
で、俺とシロを見て眉間に皺を寄せる花宮に事情を説明すると更に花宮の表情が歪んだ。
「つまり、2人はまだ化物と対峙してるんだな?」
「そーいう事。つーか、さっきから聞こえる騒音が物語ってるよね」
「…新しい化物がいて、千夏と葉山が囮してるって…ヤバいんじゃねぇの?」
「ごめん、なさい…シロが」
「あ? 今のテメェが役に立たねぇのは知ってんだよ。それより、化物について説明しろ」
そしてこの酷い扱いである。
いや、まぁ…花宮は特に子供が嫌いだし。そもそも信用してないからね、仕方ないね。
まぁ見た目が子供ってだけで、人間じゃねぇし? 優しくしてやる理由も無ければ、する気もないみたいなね。
尚、そんな塩対応の俺や花宮に軽蔑の眼差しを向ける奴等がいるけど、頭ン中にババロアが入ってる馬鹿共なので無視。
前回から何も学んでなさ過ぎて笑う。見た目で騙され過ぎじゃね? つーか、人間じゃねぇって本人が言ってんのにね。
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