08*(1/4)
ひ、ひえ〜っ!!
こんなもん戦えるか!!
途中で化物に見事に遭遇したわたし達は、とりあえず近くの部屋に飛び込んだはいいが…まさかの化物も入ってきました。
これは酷い。
というか、もはや詰んだ。
ホールっぽい部屋に入ったからまだ化物とは距離があるけど、あんまり意味は無いよね。
「一哉、シロをお願い! おい、葉山! お前はこっち!!」
「えっ、俺と千夏で囮やるのー!?」
「そうだよ! 一哉は、シロと一緒に地下に避難して! わたし達もすぐに行くから!」
「はぁ? そんなん無理でしょ。置いて行ける訳ないじゃん」
「いいから、早く! シロになにかあったら困るし。さすがに戦ったりしないから大丈夫だってば」
何故かこの状況ですから、焦っていない葉山にある意味尊敬しつつ、シロを一哉に押し付けて葉山の腕を引いた。
とりあえず、葉山にシロを任せるのは絶対に怖いので無理。で、わたしがシロと逃げるとなると文字が読めない2人を置いていく事になるので…何かあったら対処が出来ない訳で。
こうなるのは、仕方ないんですよねぇ。
最初に見た化物じゃないのがちょっと怖いけど…まぁ、一哉ならもう1体の化物に遭遇したとしてもどうにか逃げきってくれるだろうと、勝手に思っている。
尚、目の前の化物は足が遅いみたいにので…足が早い化物と遭遇する可能性が高いのは一哉とシロになる訳だが。
もはや、そんな事を考えている時間もない訳で
「っ、一哉! 行って!」
「あぁっ…もう! まじで自分勝手なんだけど。絶対戻って来いよ」
「お、おねぇちゃん…」
「ちょ、なにそれ。ちょっと可愛いとか思っちゃったじゃん! ほら、シロも大丈夫だから行って!」
「っとと! 動き遅いけど馬鹿力過ぎー。まるで根武谷じゃん!」
そして壁を壊す程の化物の攻撃を避けながらふざけた事を抜かしている葉山に、ちょっと頭が痛いけど…さすがはスピード馬鹿。いい囮になってくれて、こちらとしては有り難い。
で、再び化物が葉山を狙って攻撃をして来たタイミングで一哉とシロに合図を送った。
そしてシロを抱えた一哉が部屋から飛び出して行ったのを確認して、ゆっくりと化物の方を向く。
…きっもいなぁ。
「で、どうすんの? 少ししたら俺等も地下に逃げるんでしょ?」
「まっさかー。手ぶらで帰る訳ないだろ」
「えぇ〜! 千夏ってホントに女子? 普通に逃げようよ〜」
「うっさい馬鹿。いいからもう少し時間稼いでくれ」
「しかも俺頼りとか、さぁっ! よっと…」
「死にたくないなら従え」
「もーう…わかってるよー。っとと…あっぶね!」
まだ一哉とシロが地下に辿り着いてないから、ダメ。
なのでもう少し時間を稼いでから、反撃といきますか。
まぁ、時間を稼いでるのは葉山なんですけどね!
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