有能な生け贄 | ナノ
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07*(2/4)


…うーん。
シロの話を聞き終わって、思考を巡らせている訳だが…正直、なんとも言えない。

そもそも、シロが生け贄として召喚された化物なのは100歩譲っていいとして…その化物のシロを魔術とはいえ縛り付けた黒幕がヤバいと思う訳で。

しかも、唯一の脱出方法はシロが魔術でわたし達を帰すしかないっぽいし。いや、他にも移動関係の魔術はあるんだけど…リスクが高いんだよなぁ。

となると、魔力? 精神力? をお腹にある魔術で封じられているシロをどうにかしなきゃなんだけど…本当に解除していいのか、ちょっと不安。

もちろん、真は最終手段って考えてるっぽい。さすがは、誰も信用しない代表である。まぁ…お腹の魔術を解除したら、ありがとうシネェ! とかなる可能性も無きにしもあらずだからね。



「つまり、自力で脱出はかなり無謀って事だよね? めんどっ」

「そもそも、生け贄を逃がさない様にするのは当たり前だと思うが」

「最初から脱出方法なんてなかったって事だろ? でも花宮はシロを頼るのは…嫌なんだろ? ならどうすんだよ」

「あ? どうするもこうするもねぇよ。それにあの魔術はすぐに解けねぇってあいつ本人が言ってただろ」

「とりあえずは、シロの助言通りに動いてみて決める感じだよね。信用したいけど、状況が状況だし」



まぁ、確かに信用するしないに関しては…普通に考えたら信用しない方がいいとは思うけど、わたしはあえて信用してみようと思ってる。

理由はなんとなく。

それに信用して貰えないからみんなシネェ!! とかなったら嫌だし。今のところは害はないからね。まぁ、健ちゃんが言うようにシロの助言通りに動いて何かあったら考えましょうって感じ。



「で、シロも一緒に探索するのはいいとしてどっちに連れて行くの?」

「あ? こっちに決まってんだろ。テメェは適当な奴等と食料でも探して来い」

「は? キレそう」

「………っ、」

「ふーん? でも、シロは真とは嫌だってよ? ほら」

「…チッ」

「舌打ちやめろ。シロは、わたしと一緒がいいんだ?」

「…うん、迷惑じゃなければ一緒がいい、…です」



ほーう? なんか知らんが、シロに好かれてしまった様だ。まぁ、普通にわたし以外は男な上に無駄にでかい奴等ばっかりだからね、怖がられても仕方ないね。いや、シロは人間じゃないからそんなの関係ない気もするが。

アレ? もしかして、わたしってば舐められてる? 1番弱そうとか思われてる?

だったら、まじで許さんぞ。見た目が子供だろうが、わたしは容赦しねぇからな。


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